今からアメリカ株をどうやって買ったらいいのか 投資初心者のアメリカ株との「付き合い方」

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さて、アメリカ株投資を手がける個人投資家には、大きく2つのタイプがある。ETF(上場投資信託)や公募の投資信託を通じて分散投資されたアメリカ株に投資しようとするタイプと、アップルやマイクロソフトのような個別株に投資しようとするタイプだ。

S&P500連動のファンドが「ベストではない」ワケ

まず、前者について、どのような投資方法がいいか、結論を出そう。アメリカ株投資に熱心な向きには、「S&P500にだけ投資していれば、投資はOK」というS&P500「1択主義者」が少なくない。投資信託の積み立て投資の新規口座で選ばれる対象を見ると、同指数に連動するインデックスファンドの選択が顕著に多い。

S&P500は時価総額の大きなアメリカを代表する会社500社で構成される指数で、やや大企業寄りだが、アメリカ株を広くカバーする。前述のように、過去30年のアメリカ株、ひいてはアメリカ経済は好調だった。加えて、より大きな会社がより有利に成長しやすいといういわゆる「収穫逓増」の効果が情報関連産業で働きやすかったこともあって、絶好調だった。

加えて、曰く「かのウォーレン・バフェット氏は個人資産の大半を妻に遺産として残すに当たってS&P500に連動するETFで渡す」と広言している、曰く「アメリカの大企業は売上高の大きな部分を海外から得ており、アメリカ企業に投資すると実質的に世界経済に投資できる」などといった言葉が聞こえる。

S&P500に連動する公募の投資選択やETFは、競争が激しくて手数料が安いこともあり、筆者も「悪くない」選択肢だと思うのだが、個人投資家が「1択」または、せいぜい2、3の銘柄でシンプルに運用する場合の選択肢として、S&P500連動のファンドは「ベストではない」と思う。

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