日銀もついに「テーパリング」するときが来た 日本銀行が犯した「5つの間違い」とは一体何か

✎ 1〜 ✎ 80 ✎ 81 ✎ 82 ✎ 最新
拡大
縮小
日銀の黒田東彦総裁は今までの暗黙の「自主ルール」を破ってしまった、と筆者は言う。日銀は今何をすべきなのか(写真:大澤誠)

ジェローム・パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、注目された8月27日のジャクソンホール会議での講演で「まもなくテーパリング(緩和縮小、国債などの買い入れ額を削減すること)する」と明確に述べた。ついに、アメリカの中央銀行であるFEDはテーパリングを開始しようとしている。

さあ、日本銀行もテーパリングを開始すべきときがやってきた。即時開始すべきだ。今回は、日銀がすぐさまとるべき金融政策の変更を提言したい。

日米2つの中央銀行の差は歴然

この連載は競馬をこよなく愛するエコノミスト3人による持ち回り連載です(最終ページには競馬の予想が載っています)。記事の一覧はこちら

FEDと日本銀行とのパフォーマンスの差は歴然だ。ともに量的緩和を行ったが、アメリカは、行った2度とも脱出に成功している(ちなみにFEDは量的緩和という言葉を自らは決して使わない。バランスシート政策あるいは資産買い入れプログラムと呼んでいる)。

1度目は、世界金融危機(2008年のリーマンショック)のときのベン・バーナンキFRB議長(当時)だ。2013年に「バーナンキショック」などと投機関係者には八つ当たりされたが、しかし、自分が広げた風呂敷は、しっかりたたむメドをつけて去っていった。

だから、その後FEDのバランスシートはしっかりと縮小し、今回のコロナショックへの対応で、国債などの資産買い入れを大規模に行うことができた。そして、また、今回もその資産買い入れ政策の役割が終わったら、さっと引き揚げることに成功しつつある。資産買い入れ政策は危機対応の緊急政策であって、ドカンとやって、さっと引き揚げる。これが戦略の要諦である。アフガニスタンが、その反対の例だ。

一方、日本銀行は、言ってみれば昨今のアフガニスタンよりもひどい状況だ。2001年に量的緩和を開始し、福井俊彦総裁(当時)が2006年に解除した。これは、パウエル議長と同様、きちんと幕引きをして去っていったのだが、現在は見るも無残な状況になっており、国債発行残高の半分は日本銀行が保有するという有様だ。

次ページ黒田総裁が日銀の自主ルールを破った
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
パチンコ、「倒産」と「リストラ」ドミノの深刻背景
パチンコ、「倒産」と「リストラ」ドミノの深刻背景
パチンコ業界で「キャッシュレス」進まぬ複雑背景
パチンコ業界で「キャッシュレス」進まぬ複雑背景
イオン、PB価格据え置きの「やせ我慢」に募る憂鬱
イオン、PB価格据え置きの「やせ我慢」に募る憂鬱
「イトーヨーカドー幕張店」激戦区の大改装に差した光明
「イトーヨーカドー幕張店」激戦区の大改装に差した光明
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT