「アメリカ企業について調べるのは面倒だから、テーマ型ETFがいい」というのも1つの考え方だが、そもそも「調べるのが面倒」という投資家が、どのテーマ型ETFを選んだらいいのかについて、十分な根拠を持って判断しているとは思えない。「面倒だと」思うくらいなら、平均的なインデックスのETFをじっと持っているほうがそもそも賢明な投資なのだし、自分で考えて投資したいということなら、1銘柄に対して少額でも投資できる(1株から投資できる)こともあり、アメリカの個別株式に投資するのが面白いと思う。
アメリカの個別株投資の魅力とは?
アメリカ株に投資するからといって、日本株に投資する場合と、投資の原理が変わるわけではない。 業種や性質がなるべく異なる銘柄を組み合わせて「ポートフォリオ」を作り、これを育てるのが基本だ。
1つのヒントとして、特集号には、『米国会社四季報』(東洋経済新報社)の活用術として、グロース株(成長株)、バリュー株(割安株)、逆張り株、などの大きなカテゴリー分類が紹介されている。例えば、こうした分類を念頭に、時価総額上位の銘柄(72ページに上位50銘柄が載っている)の中から、これらの3カテゴリーに属する銘柄を順番に選んでいくようなポートフォリオの骨格の作り方があるだろう。
冒頭にも述べたように、われわれ日本人も、今や多くのアメリカ企業になじんでいる。例えば、「トヨタ自動車、ソニーグループ、NTT、三菱UFJフィナンシャル・グループ」といったポートフォリオを持っている人が、これにアップルとマイクロソフトを加えたら、どのようなリスク性質を持ったポートフォリオになるか、といったことを個人投資家が分析できるようになるといい。
どこかの会社が分析ツールを提供してくれるといいとも思ういっぽう、個人投資家も、その気になればできるはずだとも思う。せっかく趣味として取り組むなら、金融機関やソフトのベンダーを頼らずに(特に前者は頼らないほうがいい)、「自分でやってやる!」と思うくらいの投資家が出てくると頼もしいと申し上げておこう。
日本株だけではなく、アメリカ株だけでもなく、世界に広く投資する株式投資を、個人が機関投資家並みのレベルでできるようになると素晴らしいし、同時に面白い。趣味としての株式投資の世界は広くかつ深い(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。
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