日経平均3万3800円以上が現実味を帯びてきた

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不安にかられる人は少なくないが「緊急事態宣言」は21日で解除。やはり株価にはプラス材料だろうか(写真:つのだよしお/アフロ)

まずは直近の動きを振り返ろう。ニューヨークダウ30種平均株価は3月17日に史上最高値を2日ぶりに更新し、初めて3万3000ドル台を付けた。

11日のECB(欧州中央銀行)理事会に次いで開かれた注目のFOMC(連邦公開市場委員会、16~17日)では、今年の経済成長率を6.5%と強気に予想したにもかかわらず、金利見通しについては「現在の事実上のゼロ金利が少なくとも2023年末まで続く」とし、金融緩和を長期間続ける方針を示した。

インフレ懸念が継続、日本もETF要因で小波乱に

最近の長期金利上昇を踏まえ、市場では「利上げが前倒しされる可能性もあるのでは」との見方まであった。そのため、この金利見通しはかなりハト派的に評価された。ジェローム・パウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長が記者会見で「(テーパリングの検討開始については)「まだその時期ではない」と発言したことも好感された。

しかし、その翌18日に金利が再び上昇すると、一転して「インフレ懸念」が台頭した。高PER(株価収益率)銘柄が売られ、ナスダックは409ポイント安の1万3116ポイントと、3%を超える大幅下落となった。S&P500指数も1.4%以上値下がりした。

同日に発表された3月フィラデルフィア連銀製造業景況指数は51.8。同指数はゼロが活動の拡大と縮小の境目であり、市場予測を大きく上回ったどころか、1973年4月以来なんと47年11カ月ぶりという「大活況の数字」だったが、インフレ懸念が横溢していたこの日の市場にとっては、まるで悪材料のようだった。

さて、ECB理事会が終わりFOMCも終わった後の注目イベントは、わが日銀金融政策決定会合であった。日銀が19日午後に「ETF(上場投資信託)買い入れをTOPIX(東証株価指数)連動銘柄に限定する」と発表すると、日経平均株価は急落。一時は600円近く下げた。

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