日経平均3万円到達でも米国株より割高な理由

長期では日米ともに「株価上昇」の可能性が高い

日本は「緊急事態宣言延長」と言っても、アメリカのほうが事態はより深刻。だがらといって「今後の株価も日本のほうが堅調」と見ていいのだろうか(写真:西村尚己/アフロ)

筆者は、このところ「短期(むこう1~2カ月程度のイメージ)では主要国の株価指数は1割強の下落となり、その後は年末にかけて再度上昇基調をたどるだろう」との予測を提示してきた。そのため、前回2月1日付の当コラム「ついに株価の短期下落が始まったかもしれない」では、1月最終週に生じた日米等の株価下落がまだしばらく継続するのではないか、との見立てを述べた。

しかし実際には、市場がこうした筆者の短期弱気見通しをあざ笑うかのように、2月前半は株価の大幅な反発が生じた。またまた筆者の「外れ芸」がさく裂したわけだ(一部では筆者のことを「逆神」と呼んでくださる方もおられるようだが、「神」とおほめいただくほどのものではない)。それでも相変わらず「主要国の株価の短期調整、長期上昇のシナリオ」を堅持している。改めてそのように見込んでいる背景を整理してみたい。

今の株高には「真の上昇要因」が存在しない

まず、市場全般についてだが、このところ株価が上がれば「アメリカのバイデン政権の経済対策期待」「ワクチン接種の広がりに対する期待」といったまったく同じ材料が、株価上昇の要因として使われ続けている。本来なら、ある好材料があれば、それに対して市場がいったん反応すれば終わりのはずだ。つまりこれは「新しい株高要因がまったくないが、株価が上がり続けている」と解釈すべきだ。すなわち「真の株価上昇要因を欠いた勢いだけの株高」ということなのだろう。

それどころか、前回のコラム掲載後のここ2週間だけの経済指標をみても、むしろ株価が下落して当然というものが目に付く。例を挙げると、まず5日のアメリカ雇用統計が挙げられる。非農業部門雇用者数前月比は、12月分が14.0万人減から22.7万人減へと8.7万人幅も大きく下方修正されたうえ、1月分はわずか4.9万人増にとどまった。またミシガン大学が集計している消費者信頼感指数(12日発表)は、2月は前月から2.8ポイント低下の76.2となった。これは昨年8月以来の最低値である。

同大学によれば、景況感の低下が年間所得7万5000ドル未満の世帯に集中しており「経済弱者」の痛みが増していることが示唆されている。日本では、8日に1月の景気ウォッチャー調査が発表され、最も重要な現状判断DIは31.2と前月から3.1ポイント悪化し、2020年5月の最初のコロナ禍以来の低水準だった。このように、経済実態の小休止ないし反落を軽視した勢いばかりの株高は、早晩修正を迫られるだろう。

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