ついに株価の短期下落が始まったかもしれない

「波乱の真犯人」は本当にロビンフッダーなのか

市場ではゲームストップ社の乱高下が株価波乱のひとつの原因とされているが本当だろうか(写真:AP/アフロ)

筆者は世界株価の先行きについて、このところ「短期警戒、長期楽観のシナリオ」を唱えてきた。

一貫して「短期警戒」を変えなかった理由とは?

主要国の景気や企業収益は、コロナ禍による打撃からの回復過程にある。その大枠は今のところ覆ってはいない。もちろん新型コロナウイルスの変異種流行といった懸念はある。だがいっぽうでワクチン接種が徐々に広がりつつあり、政府や中央銀行の景気支持の姿勢も変わっていない。

家計も企業も、昨年3月前後のパニック的な経済活動の混乱期に比べれば、リモートワークや電子商取引、ネット経由の課金娯楽(動画やライブ配信等)の活用に慣れてきており、感染予防を講じながら経済をいくばくか回す知恵も定着しつつある。

このため、景気全般に緩やかな持ち直しが見込まれ、それを受け2021年全体を通じれば、まだ株価が上値を探る展開が期待される。

しかし、一方で景気や企業収益の回復は極めて緩やかだ。一部の経済指標などに短期反落の模様がみられることに対して、昨年11月初以降の株価上昇はあまりにも急ピッチすぎた。加えて物色動向をみると、特定の業種や企業に偏っている感が強い。こうした市場の「スピード違反」や「物色の歪み」は、いずれ短期的な株価反落という形で表れると予想していたわけだ。

前回の1月18日付の当コラム「今の株式市場は『少しカオしてる』かもしれない」では、半導体株の動向やアメリカの長期国債市場などで、方向感を失った混乱(カオス)が生じており、これは市場が天井圏を形成する際の典型的な動きである「天底荒れる」に相当し、「昨年11月以降生じた株価の上昇が、短期的な転機を迎えているのではないか」などと述べた。実際、先週大きく主要国の株価が反落したことは、残念ながらそうした短期株価調整が本格化し始めた、ということなのだろう。

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