株価の命運握るアメリカ10年金利を予想する

FOMCでは利上げ回数と中立金利の見通しに注意

FOMCで示されるドットチャートに今後は注目(写真:ロイター/Susan Walsh/Pool via REUTERS)

2021年の取引が始まって1カ月が経過した。総じて落ち着いた立ち上がりだったと言えるが、やはりアメリカ金利の上振れが気になる。今後も「アメリカの金利がどこまで上がるか」が2021年の金融市場を見通すうえでの要諦になるだろう。

実体経済と乖離して進んだ株高も、大幅なドル安もすべては昨年3月にFRB(連邦準備制度理事会)が一気に1.5%ポイントの利下げを敢行し、10年を筆頭とするあらゆる年限の金利が歴史的低水準に張り付いたことに起因している。

現状、アメリカの金利の中でも最も注目される10年金利はFRBの利下げ後は、0.50~1.00%のレンジで推移している。コロナ以前、アメリカの潜在成長率は3%強という試算もあったことを思えば、超低金利と言える。しかし、現状から3カ月後、6カ月後もしくは1年後の「景気が悪くなる」と思っている向きは少数だろう。普通に考えれば10年金利を筆頭に市中金利は上がるはずである。問題はどれくらい上がるか、だ。

潜在成長率からイメージすると1.4~1.6%

この点、いろいろな考え方がありうる。例えば潜在成長率との関連からイメージを作るとどうなるか。アメリカの10年金利と議会予算局(CBO)の推計する名目ベースの潜在成長率の推移を見てみよう。CBO推計によれば、直近5年(2015~19年)を見ると、潜在成長率は平均3.5%で、10年金利は平均2.2%であった。直近3年(2017~19年)では平均3.8%に対し、平均2.4%であった。

つまり、コロナ以前からアメリカの10年金利は潜在成長率より1.2~1.4%ポイントほど低い水準が常態化していたことになる。コロナショックの深手を考えれば、当面のアメリカ10年金利はこの目線以下で考えたほうがよいのだろう。CBOの推計する2021年の潜在成長率は2.8%なので、そこから1.2~1.4%ポイント低い1.4~1.6%が10年金利に対する1つのメドになるだろうか。

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