日経平均3万円到達でも米国株より割高な理由

長期では日米ともに「株価上昇」の可能性が高い

では足元の株価が極めて脆弱だと判断されるにもかかわらず、なぜ株高が持続しているのか。それは「上がるから買う、買うから上がる」といった状態に陥っているからだろう。株価が実体経済や企業収益と比べて買われすぎだが、それが「もっと買われすぎ」になり、「さらに買われすぎ」になるということは、しばしば起こる。

「買われすぎ3段ロケット」の推進力が弱まるのはいつ?

そうした「買われすぎの3段ロケット」が持続するのが、せいぜい数週間であれば放っておけばよいのかもしれないが、数カ月(日本の平成バブルのケースなどは、1年以上も)続くこともあるのがマーケットだ。とすると投資家としては、理性的に判断すればどう考えても株価は買われすぎで「いずれ」反落すると見込まれるが、その「いずれ」が数カ月後かもしれないとすれば、割り切って買い姿勢で相場についていかざるをえない、と判断する場合も多いだろう。

特に機関投資家の場合は、厳しい運用競争にさらされており「今の株価は買われすぎである」と正しく判断したつもりで買いを控えていると、「ここは買いだ」と判断した他社との運用競争に負けるかもしれない。それよりは、他社と同様に足並み揃えて買いにいけば、予想通り株価が反落して損を出しても競争相手もみな損失を被るのだから、競争に負けることはない。

こうした「勝ち馬に乗る」といった姿勢は、主要国の株式市場全体だけではなく、個別のセクターや銘柄にも表れている。株価が上がる銘柄ばかりがさらに株価が上昇する、といった一時顕著になった現象も、こうした「上がるから買う、買うから上がる」という現象だと理解すればわかりやすい。

そのような、あたかも「レミングの行進」のような投資が次の市況にどのような影響を及ぼすかは、自明だろう(レミングの名誉のために言っておくと、レミングが集団で水に入っていく、というのは都市伝説らしい)。

ここで改めて日米の最近の株価動向を比較してみよう。日経平均株価は円建てなので、為替相場を使ってドルに換算してみる。そのうえで「日経平均÷ニューヨークダウ工業株」の比率を見てみたい。今の日経平均を米ドルに直すと280ドル程度となり、ニューヨークダウと桁が違うので、便宜上、ドル建て日経平均を100倍してから割り算する。

この比率は2012~2016年は、0.90倍を挟んで推移する傾向があったが、その後は低下基調が続いて、2020年3月13日には0.70倍まで低下した。ところがその後は上昇色を強め、今年1月27日には0.91倍でピークをつけた。先週末の2月12日でも、まだ0.89倍と高水準にある。

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