日経平均は反発したが調整はまだまだ不十分だ

「長期は上昇」でも、短期では「再度の下落」も

アメリカでは新型コロナのワクチン接種が順調に拡大。「世界の株価も順調」といくかどうかはわからない(写真:ロイター/アフロ)

前回の3月1日付コラム「日経平均株価の『化けの皮』がはがれそうだ」では、短期的な株価警戒論を述べた。そのときの主張の根拠は主に下記の4つだった。

1)アメリカの長期金利が上昇したことが、最近の株価調整の要因だとされているが、それは真の株価下落要因ではない。
2)真の株価下落要因は、最近までのゆきすぎた株価上昇の「ツケ払い」である。
3)とすれば、特に買われすぎの様相が強かった、アメリカ株におけるGAFAなどの高成長銘柄、日本株については日経平均株価が、相対的に大きく下落するだろう。
4)こうした見解を踏まえれば、これからアメリカの長期金利が上がろうと下がろうと、株価が十分に下落しなければ、株価の上昇基調は無傷では復活しないだろう。

調整は不十分、戻れば戻るほど大きな下落を懸念

実際の市場動向はどうだったか。コラム掲載直後の先々週(3月1~5日)は、主要国の株価指数は下落基調を継続した。日経平均は5日には、ザラ場安値で2万8309円を叩いている。ただしその後先週(8~12日)はいったんの反騰となり、主要国の株価は戻りを示した。

ただし、このまま戻りを継続するには先々週の株価の調整は十分ではなく、また必要不可欠な株価下落局面に陥ると懸念している。目先株価が戻れば戻るほど、その先の株価反落が厳しく深いものになるだけだろう。

3)については、12日のアメリカ市場では、ニューヨークダウやS&P500指数が高値を更新するいっぽう、高成長株を多く含むナスダック総合指数が下落したことでもわかる通り、やはり買われすぎたセクター(業種)の株価の不振が継続している。

もう少し長い目で見ても、ナスダック総合指数をS&P500指数で割った比率は、2月半ばからの低下傾向が明確になっている。前回のコラムのタイトルである「日経平均の『化けの皮』がはがれる」という点についても、NT倍率(日経平均÷TOPIX)は、2月25日の15.66倍をピークに、先週3月10日は15.13倍と、今年1月7日以来の水準に低下した。12日現在では15.23倍にいったん戻しているが、NT倍率の低下傾向はまだ続くだろう。

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