就活や婚活で「年収ばかり重視する人」の盲点 日本人に圧倒的に足りない「会計思考」
たとえば「高級住宅地に家を持っています!」といっても、全部住宅ローンだったら、会計の視点から見ると、純資産的には資産と負債が相殺されてゼロ。「ローンに相当するくらいの建物価値はないよね」と判断されてしまったら、負債のほうが上回ってしまいます。コレ、銀行評価ではよくある話です。これが、新聞や雑誌などでもよく取り沙汰される「持ち家VS賃貸のジレンマ」というヤツ。
たとえば「高級車に乗っています!」といっても、分割払いのローンかもしれません。クルマのローンに関しては、先ほどの住宅ローンとも違い、金利は通常4〜5%と高利率、かつ車が買った値段より高値で売れることは、ほんのひと握りのレア車(フェラーリの中でもさらに一部の車種に限定されるほど)を除いてほぼありません。資産としてのクルマは、買値とはほど遠く、やはりこちらも表面上だけで財政状態を判断するのは危険です。
その高級車はどれだけの「シナジー」を生んでいる?
もちろん、住宅ローンも、カーローンも、受けるための審査には通っているため、「信用がある」点においては、評価すべきでしょう。ただ、ここで伝えたいのは、「いい家に住んでいる!」「いいクルマに乗っている!」だけで、短絡的に「いい」と考えてしまうのではなく、もっと別の角度からも「複眼的に」見ることで、より本質に近づけるということです。
今回の例でいうと
- ・家やクルマそのものの見た目や買ったときの値段
だけでなく、
- ・家・クルマの購入資金
- ・家・クルマを持つことの相乗効果(シナジー)
- ・ローンや与信状況
- ・再販市場や現在の価値
- ・なぜそれを持つ必要があるのか(見栄? 趣味? 投資目的? 余剰資金? など)
など、さまざまな角度から検討することで、「高級住宅(高級車)を持っている」という事実は1つでも、解釈が無限にあることに気づけるはずです。
「高級住宅」に住んだり「高級車」に乗ることで人気アップにつながるなら、それは「投資」ともいえますね。海外セレブなどはその筆頭かもしれません。存在が広告塔にもなりますし、イメージでのブランディングがキモになって、儲けにつながるわけですから。
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