外国人投資家は日本株を本当に買ってくるのか 景色は一変、マーケットは選挙が大好き?

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外国人投資家が好むとされる河野太郎・行政改革担当相。日本株は「買い」でいいのだろうか(写真:AP/アフロ)

9月3日の前引け後に発表された「菅義偉首相、自民党総裁選挙に不出馬」の一報は、確かにサプライズだった。

だが、正直に言うと、筆者はその後一気に買いが入って日経平均株価が584円高の2万9128円(6月17日以来の2万9000円台乗せ)になったことにはそれほど驚かなかった。

市場は「選挙好き」、菅首相続投か否かは「関係なし」

政局混迷や新型コロナウイルス・デルタ株の感染拡大で低迷していた市場に対し、兜町筋では、これらの趨勢が決まったところから景色が変わると予測していたからだ。つまり、菅首相続投か否かは関係なく、「ハッキリしたら買い」と決めていたのである。

報道直後は、自民党の総裁選出馬を表明している岸田文雄・前政調会長関連の「広島銘柄を探せ」が市場の合言葉になった。だが、その後の河野太郎・行政改革担当相、高市早苗・前総務相の出馬宣言、さらに複数の候補者出馬の可能性も、という展開で、別の意味で景色が変わった。

マーケットは選挙が好きである。2016年にアメリカでドナルド・トランプ大統領が誕生するとわかったときも、また同じく2020年ジョー・バイデン大統領になるとわかったときも、株式市場は嬉々として躍動した。マーケットは不透明感を嫌うが、選挙戦の不透明感は、逆にその後の活性化につながっている。

今後は外国人投資家がこの日本の混乱をネガティブ要因として売ってくるとの見方もある。だが、外国人投資家は意外に日本の投資家動向を参考にして動いている。明確な買いシグナルを出した日本の投資家を無視することはないと思う。

事実、先週末のCME日経平均先物(シカゴ)は2万9600円台で帰ってきており、今のところ、3日の東京市場の終値よりも約500円高となっている。

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