大谷翔平選手がアメリカ社会を癒やす「必然」 「二刀流」だけでなく最高の笑顔がもたらすもの

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MLBのオールスター戦で大谷選手は勝ち投手に。「二刀流」も野球の常識を変えているが、その最高の立ち居振る舞いも、アメリカを変えている(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

早いもので、7月20日にはジョー・バイデン政権が発足からちょうど半年となる。78歳の超高齢大統領だけに「エアフォース・ワン」のタラップからずり落ちかけるなど、ときには心配なご様子もお見かけしたのだが、これまでのところつつがなく、いや内外政とも立派に運営しておられるのではないかと思う。

バイデン大統領はやっぱりツイている?

この連載は競馬をこよなく愛するエコノミスト3人による持ち回り連載です(最終ページには競馬の予想が載っています)。記事の一覧はこちら

7月4日の独立記念日には、バイデン大統領はホワイトハウスで演説を行っている 。「新型コロナからの独立記念日」を高らかに宣言するのかと思ったら「戦いは終わっていない、デルタ株など強力な変異株も出現している、愛国心をもってワクチンの接種を」と呼びかける慎重なトーンであった。

つくづく”Under promise, Over deliver.”(公約は控えめに、結果で驚かせる)というのが、この人の流儀のようである。

思えば半年前の1月6日、ドナルド・トランプ氏の支持者が連邦議会に乱入した事件では、「アメリカはどうなっちまったのか?」と頭を抱えたものである。実はあの日の新規感染者数は、全米で28万9088人もいた。あの前後が新型コロナ感染のピークであり、言わばアメリカにおける「陰の極」であった。それが大統領就任式の1月20日には19万2292件に減少し、さらに就任100日後の4月29日には5万7125件と下火になっていったのである。

そしてこの間、バイデン政権の旗振りの下で「100日間で2億回」という驚異的なペースでワクチン接種が進んだ。もっともこのワクチン開発が成功したのは、以前にも当欄でご紹介した通り(米国が『コロナ耐性ランキング』で日米逆転の真因 )、前任のドナルド・トランプ大統領が着手した「オペレーション・ワープ・スピード」のお陰である。「バイデンさんは運が良い」・・・・・・、しみじみとそう思うのである。

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