今年は株価上昇でも来年一時急落すると見るワケ

日経平均やNYダウの「高値と安値」はどうなる?

パウエルFRB議長は市場の大きな混乱を招かずにテーパリング開始を織り込むことに「成功」した。今後の株価はどうなるだろうか(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

当コラムでは「結局、日米などの株価指数はどう動くのか」といった見通しを、ずっと述べてきたつもりだ。だが、どうしてもその時その時の話題に触れるため、当方の株価見通しをしっかりとは確認することはせずに済ませることもある。また、当コラムの読者が、筆者が書くすべての回にお目通しいただいているとは限らないし、新規読者もおられるだろう。

そこで今回は、一度筆者のシナリオをまとめて述べたいと考える。「何度もそれは書かれているから、わかっている」という読者には、お許しいただきたい。

今年の日米株価は緩やかに上昇、来年は大きく下落も

当方の見通しは「日米など主要国の株価については、年内は極めて緩やかな上昇で、来年は一度大きく下振れする」というものだ。また、来年の下振れ見通しについては、ずっと株価が下がり続けると予想しているわけではなく、「一度ドカンと下落する」というイメージであって、向こう数年単位では、株価の上昇基調を見込んでいる。したがって、来年「下がれば買い」でよいと思う。

背景要因とともに、そうした結論について説明する。まず今年内の緩やかな株価上昇について「株価がどちらかといえば上がると見込む」のは、新型コロナウイルス変異株の流行に対する懸念が継続しても、世界経済と企業収益が「持ち直し」を続けていることが大きい。

アメリカの雇用については、雇用者数の回復は遅いが、今年7月時点の雇用者の総所得はコロナ禍前のピーク(2020年2月)を4%ほど上回っている。経済規模が最大の国であるアメリカの、最大の需要項目である個人消費が、家計の所得増によって支えられると期待できるわけだ。これは、大きな株価の下支え要因だ。

こうした同国のマクロ経済の回復基調により、S&P500指数採用企業の先行き1年間の1株当たり利益予想値は、前年比42%増と大幅な増益が見込まれている(同国のファクトセット社集計によるアナリスト予想平均値)。

次ページ日本企業も増益だが株価に相当織り込み済み
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