外国人投資家は日本株を本当に買ってくるのか 景色は一変、マーケットは選挙が大好き?
さて、一方のアメリカ株はどうだったか。3日のNYダウ工業株30種平均は前日比74ドル安で終了したものの、ナスダック総合指数は同32ポイント高の1万5363ポイントと、3日連続で史上最高値を更新している。また2日に史上最高値を更新していたS&P500種指数も、ほぼ変わらずと落ち着いている。
3日に発表された注目の8月雇用統計で、非農業部門の雇用者数は7月比+23.5万人と、予想の+70万人台を大きく下回り、7月から低下した。失業率は予想通りの5.2%だった。最近のアメリカの関心事は「テーパリング(緩和縮小)開始時期」であり、景気指数は逆指数的(低下で買い、増加で売り)になっている。
だが、さすがにこの数字では「買い」とはならなかったようだ。ただし市場の一部では、早ければ9月のFOMC(連邦公開市場委員会)で正式にテーパリングを発表するとの見方もあったが、この数で「9月発表」は完全になくなったといえる。
8月ISM非製造業景況感指数も61.7と、7月の64.1を下回っている。レーバーデーの3連休を控え、雇用統計を通過してのナスダック史上最高値更新は、引き続き「上値期待のアメリカ株」となっている。
中国経済は大丈夫か?
確かに、日本や世界の市場を見るうえでは、中国経済の減速を不安視する向きもある。実際にはどうだろう。最近の数字とそれに対する株価の反応を見てみよう。
少し前のことだが、8月16日発表の同国の7月小売売上高は前年同月比8.5%増と、6月の20.2%増を大きく下回った。また、7月の工業生産も前年同月比6.4%増と、6月の8.3%増を下回った。これを受けたこの日の上海総合指数は前営業日比1.05%高、香港ハンセン指数は同0.85%安とマチマチの引けだった。
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