モーニングコンサルト社による直近の世界のリーダーの支持率を見ると、アメリカのバイデン大統領は49%、イギリスのジョンソン首相は42%、ドイツのメルケル首相は54%。
支持率20%台の菅総理は、支持率から不支持率を引いた値が調査対象の13か国の中では一番低く、「世界で最も支持されないリーダー」の一人となっています。
国民の不満の根っこにあるのは、リーダーへの「信頼の欠如」です。信頼するリーダーであれば、国民も納得し、その声に耳を傾けるはず。
では、なぜ、その信頼を得ることができないのか。ここで「信頼」を科学的に考えてみましょう。
リーダーシップに最も必要なのは「関係性構築力」
アメリカのリーダーシップ研修会社「ゼンガー・フォークマン」が、8万7000人のリーダーに行った調査でわかったのは、「信頼は3つの要素で形作られる」ということでした。
その3つとは、「①ポジティブな関係性」「②決断力」「③実行力」です。
②決断力……結果を出す知見や知恵を持ち、よい決断ができるか
③実行力……約束を実行し、コミットメントを守り、一貫して言行を一致させることができるか
この3つがそろったリーダーが理想なわけですが、このうち、「最も重要な条件」とはなんでしょうか? 多くの日本人が「決断力」や「実行力」と答えるかもしれません。
実は、この3つのうち、最も必要な力は「①ポジティブな関係性構築力」だったのです。いくら決断力や実行力があっても、関係性を築けなければ、強いリーダーシップは発揮できないという結果でした。
ハーバードビジネススクール、スタンフォードビジネススクールの研究者らは論文で、「関係性を構築」するにあたって最も求められるのは「相手の感情を理解し、寄り添う力」と結論づけました。特に「ポジティブな感情」より「ネガティブな感情に気づいてあげる」ほうが信頼性は上がるのだそうです。
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