NSXは、走行シーンに合わせて最適な走行モードを選択できる「インテグレーテッド・ダイナミクス・システム」も特徴のひとつだ。市街地などでモーターのみのEV走行も可能な「クワイエット(QUIET)」、街乗りから高速道路まで幅広いシーンで走りが楽しめる「スポーツ(SPORT)」、ワインディングなどで俊敏な走りが味わえる「スポーツプラス(SPORT+)」、サーキット走行に対応する「トラック(TRACK)」といった4モードを用意する。
タイプSでは、これらの制御についても最適化されている。クワイエットモードでは、EVドライブ時の加速性能向上や走行可能領域を拡大。スポーツプラスモードでは、全輪の駆動制御や姿勢制御を最適化することで、コーナー進入時に車体を曲がる方向に向けはじめるターンインから出口の立ち上がりまで、ドライバーがイメージするラインを忠実にトレースすることが可能。また、加速時の高いレスポンス性も実現する。これらにより、年齢や性別、運転技術などにかかわらず、誰にでもコーナーを心地よく駆け抜ける味付けがなされている。
こだわりの内装。気になる価格は2794万円
インテリアでは、新色の赤を配色したシートも採用。セミアニリンレザーをフルに使った仕様と、それに高級人工スエードのアルカンターラを組み合わせたコンビシートを用意する。また、シートのヘッドレストやグローブボックスには「Type S」のロゴも施すことで特別感を演出。
ほかにも、オプションとしてカーボンセラミックブレーキやカーボンエンジンカバー、メーターバイザーやステアリングガーニッシュにカーボンを用いた仕様なども用意し、よりスーパーカーらしいスペシャリティな装備を選ぶことができる。
国内での価格(税込)は2794万円。スタンダード仕様の2020年モデル(現在は販売終了)が2420万円であったから、374万円のアップだ。それでも、先行で受注が開始された北米では、300台限定の受注がすでに終了しているほどの人気ぶりだ(ホンダが展開する高級車ブランドのアキュラから発売)。国内では前述のとおり30台が、購入からメンテナンスを専門に行う「NSXパフォーマンスディーラー」を通じて販売される(残り20台はカナダで販売)。
生産は、従来どおり、アメリカ・オハイオ州にある専用工場「パフォーマンス・マニュファクチュアリング・センター」だ。いわゆるライン製造と異なり、選ばれた少数精鋭の熟練工たちがボディ製造、塗装、最終組み立てまでの全工程を担当する。最後の2代目NSXは、2022年12月の販売終了までに、350台がじっくりと時間を掛けて作られ、オーダーした世界の愛好家たちへ届けられる。
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