ホンダ「NSXタイプS」最終モデルの全貌に迫る 国内限定30台、2794万円のプレミアムスポーツ

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インテグレーテッド・ダイナミクス・システムにより、最適な走行モードが選択可能だ(撮影:尾形文繁)

NSXは、走行シーンに合わせて最適な走行モードを選択できる「インテグレーテッド・ダイナミクス・システム」も特徴のひとつだ。市街地などでモーターのみのEV走行も可能な「クワイエット(QUIET)」、街乗りから高速道路まで幅広いシーンで走りが楽しめる「スポーツ(SPORT)」、ワインディングなどで俊敏な走りが味わえる「スポーツプラス(SPORT+)」、サーキット走行に対応する「トラック(TRACK)」といった4モードを用意する。

タイプSでは、これらの制御についても最適化されている。クワイエットモードでは、EVドライブ時の加速性能向上や走行可能領域を拡大。スポーツプラスモードでは、全輪の駆動制御や姿勢制御を最適化することで、コーナー進入時に車体を曲がる方向に向けはじめるターンインから出口の立ち上がりまで、ドライバーがイメージするラインを忠実にトレースすることが可能。また、加速時の高いレスポンス性も実現する。これらにより、年齢や性別、運転技術などにかかわらず、誰にでもコーナーを心地よく駆け抜ける味付けがなされている。

こだわりの内装。気になる価格は2794万円

NSX タイプSのインテリア(撮影:尾形文繁)

インテリアでは、新色の赤を配色したシートも採用。セミアニリンレザーをフルに使った仕様と、それに高級人工スエードのアルカンターラを組み合わせたコンビシートを用意する。また、シートのヘッドレストやグローブボックスには「Type S」のロゴも施すことで特別感を演出。

ほかにも、オプションとしてカーボンセラミックブレーキやカーボンエンジンカバー、メーターバイザーやステアリングガーニッシュにカーボンを用いた仕様なども用意し、よりスーパーカーらしいスペシャリティな装備を選ぶことができる。

NSX タイプSのりやスタイル(撮影:尾形文繁)

国内での価格(税込)は2794万円。スタンダード仕様の2020年モデル(現在は販売終了)が2420万円であったから、374万円のアップだ。それでも、先行で受注が開始された北米では、300台限定の受注がすでに終了しているほどの人気ぶりだ(ホンダが展開する高級車ブランドのアキュラから発売)。国内では前述のとおり30台が、購入からメンテナンスを専門に行う「NSXパフォーマンスディーラー」を通じて販売される(残り20台はカナダで販売)。

生産は、従来どおり、アメリカ・オハイオ州にある専用工場「パフォーマンス・マニュファクチュアリング・センター」だ。いわゆるライン製造と異なり、選ばれた少数精鋭の熟練工たちがボディ製造、塗装、最終組み立てまでの全工程を担当する。最後の2代目NSXは、2022年12月の販売終了までに、350台がじっくりと時間を掛けて作られ、オーダーした世界の愛好家たちへ届けられる。

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平塚 直樹 ライター&エディター

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ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

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