ホンダ「NSXタイプS」最終モデルの全貌に迫る 国内限定30台、2794万円のプレミアムスポーツ

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世界限定350台、国内限定30台で販売されるホンダ「NSX タイプS」(撮影:尾形文繁)
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ホンダは8月30日、同社スポーツモデルのフラッグシップ「NSX」の新バージョン「NSX タイプS」を正式発表。世界限定350台を販売、日本では限定30台の受注受け付けを9月2日(木)より開始し、2022年7月に販売することを明らかにした。

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NSXは、1990年の初代モデルより、ホンダが30年以上も販売しているスーパースポーツ、いわゆる「国産スーパーカー」だ。特にバブル期に青春を送った世代には、当時の日本車にないスタイルと高性能ぶりがセンセーショナルだったため、ご存じの方も多いだろう。

今回発表されたタイプSは、2016年に発表された2代目(国内販売は2017年)をベースに、外観や走行性能などをより向上させた仕様だ。8月3日にシルエットなどが先行情報として世界公開されたが、その折、このタイプSをもって2代目NSXは生産終了となることも明かされ、世界中のファンを驚かせた。ホンダが長年にわたり開発を重ねてきた同モデルの集大成タイプSとは、一体どんなクルマに仕上がったのか、早速紹介しよう。

そもそもホンダの2代目NSXとは?

手前のイエローのNSXが2020年モデルの2代目、奥のシルバーのNSXが2004年モデルの初代タイプS(撮影:尾形文繁)

2代目NSXは、卓越した動力性能を誰もが快適に操れる「人間中心のスーパースポーツ」という初代モデルのコンセプトを継承し、現代の最新技術を集積することで、日常からワインディング、サーキットのスポーツ走行まで、幅広いシーンで運転を楽しめるクルマとして誕生した。先代と同イメージの低く長いシャープなフォルムもさることながら、大きな特徴のひとつが独自のパワートレインだ。高出力の3.5L・V型6気筒ツインターボエンジンを運転席後方に配置するミッドシップ・レイアウトを採用。レーシングカーや海外のスーパーカーでも採用するエンジン搭載方式も先代と同様だ。

2代目NSXでは、さらに3つの駆動モーターを使った独自の4輪駆動ハイブリッドシステム「スポーツハイブリッドSH-AWD(SPORT HYBRID SH-AWDⓇ)」を採用する。エンジン側にはクランクシャフトと直結した「ダイレクトドライブモーター」と「9速DCT(デュアルクラッチ・トランスミッション)」をマッチング。加えて、前輪の左右に独立した2つのモーターで駆動する「TMU(ツインモーターユニット)」を搭載することで、4輪の駆動力を電動で制御する。特にTMUは、プラスのトルク(駆動力)のみならず、マイナスのトルク(減速力)も自在に制御する高度なトルクベクタリング機能を備え、全速度域での高いライントレース性を実現する。これらにより、「誰にでも扱える高性能」という、海外製スーパーカーとは一線を画す、NSX独自の乗り味を演出している。

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