ポストコロナ、日本の成長に絶対外せない命題 海外投資立国と国内経済のバランス戦略へ

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ポストコロナに向けた日本の課題と挑戦とは?(写真:Graphs/PIXTA)
米中貿易戦争により幕を開けた、国家が地政学的な目的のために経済を手段として使う「地経学」の時代。
コロナウイルス危機で先が見えない霧の中にいる今、独立したグローバルなシンクタンク「アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)」の専門家が、コロナウイルス後の国際政治と世界経済の新たな潮流の兆しをいち早く見つけ、その地政学的かつ地経学的重要性を考察し、日本の国益と戦略にとっての意味合いを、順次配信していく。

日本経済の現在地

パンデミックによってダメージを受けた先進国経済が着実な回復に向かう中、日本の回復は遅れている。回復基調こそ維持されているものの、遅れたワクチン接種のキャッチアップと感染再拡大が重なり、足元はもたついている。ただ、2022~23年以降、ポストコロナの経済が日本でも本格的な動きとなるのは間違いない。日本経済が抱えるポストコロナの課題をグローバルな視点、特に日本の対外投資との関連から整理し、日本の企業や金融機関の抱える課題とその対応を考えてみたい。

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日本は2013年以降、長い停滞から何とか脱し、2016年度後半~2018年度には緩やかな成長の持続を実現した。そのプロセスは、大規模な財政拡大と金融緩和政策により、まず2013年に急速な円高是正が進み、2016年後半から為替レートも安定的推移が続くようになり、政策効果と円高是正による外需主導の回復が内需拡大へと拡がり、2015~18年度は緩やかなプラス成長が持続するようになった。

物価もデフレでない状態が維持され、失業率は完全雇用に近い2%台前半まで低下した。しかし、トランプ政権下の2019年には世界貿易停滞によって成長が鈍化し、2020年は世界的なコロナ感染に直面。2019~20年度の日本の実質GDP成長率はマイナスへ落ち込んだ。

グローバルな視点で日本経済をみると、名目GDP規模はアメリカ、中国に次ぐ世界第3位であるが、日本と比べ中国は3倍弱、アメリカは4倍強と規模の差は歴然である。一方、対外純資産のプラスは過去20年間世界最大を維持し、2020年末の残高は357兆円で過去7年程300兆~360兆円規模が続いている。

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