所得格差の拡大は経済の長期停滞を招く ニッポンは「一億総中流」でなくなるのか

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「一億総中流」意識が日本の活力だった(撮影:尾形文繁)
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「1億総中流」と言われたように、日本社会では、ほとんどの人が自分の生活は中流であると考えているとされてきた。自分は周囲と同じような生活をしていると考える人が多く、社会から疎外されていると感じている人が少ないということは、日本に社会の安定をもたらしてきた大きな要因だろう。窃盗、強盗、殺人といった凶悪犯罪がないわけではないが、自分の身の回りで、今にも社会への不満から大規模な暴動や革命が起こるかも知れないと心配している日本人はいないのではないか。

日本人の中流意識はなお健在だが・・・

6月の本欄「所得格差が先進国で拡大している理由」でもご紹介したが、先進諸国では所得格差の拡大が起こっており、日本もその例外ではない。

それでも日本の中流意識は健在だ。2013年6月実施の「国民生活に関する世論調査」(内閣府)では、収入・所得については不満も多いものの、9割以上の人が自分の生活は「中」だと感じている。同じ中流でも1960年代半ば頃と現在とを比較すると、「中の下」の割合が3割程度から2割強に低下しており、「中の上」が6~7%から13%近くに上昇している。

格差の拡大を防止するための累進的な所得課税などは、経済成長を阻害する効果があり、格差の拡大防止と経済成長とは相反する目的であると考えられることが多い。

1980年代後半のバブル景気の頃に比べて、むしろバブル崩壊後の所得低迷の時期の方が、「上」や「中の上」という回答の割合が高くなっていることには少し意外である。今は、生活に不満はあるものの、周囲を見回せば皆似たようなものであり、自分はまだましな方だと感じている、ということなのだろう。バブル景気の頃には、自分も好景気の恩恵を得たものの、もっとうまい汁を吸っている人がたくさんいると感じていたのかもしれない。

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