診療報酬が大幅削減 揺さぶられる在宅医療

介護施設や高齢者住宅で受ける在宅医療に深刻な影響。

通院困難な患者を、医師が自宅や介護施設などで診療する在宅医療が、大きく揺れている。

これまで厚生労働省は、入院患者の退院後の受け皿として在宅医療に手厚い診療報酬を設定してきた。ところが、介護付き有料老人ホームなどに入居する患者を紹介する見返りに、医療機関から手数料を受け取る「患者紹介ビジネス」が、昨年夏以来、新聞報道をきっかけに問題化。4月からの診療報酬改定で、「儲けすぎ」を理由に、有料老人ホームなどへの訪問診療に関する点数が大幅に減らされることになった(表)。

「患者紹介ビジネスはもってのほかだが、診療報酬の大幅引き下げは、地道に在宅医療に従事してきた医療機関に深刻な影響を及ぼす。4月を前に廃業を決めた診療所もある」と医療コンサルティング会社・メディヴァの大石佳能子社長は問題点を指摘する。

廃業してしまえば、介護施設やサービス付き高齢者住宅側は新たな医療機関を探す必要があるが、簡単には見つからない地方も多い。

約4割の減収に

昨年4月、北海道岩見沢市で在宅医療専門の診療所として開院した「ささえるクリニック岩見沢」(村上智彦院長)の山田奈緒美事務長は「4月以降、約4割の減収が避けられない」と試算する。

同クリニックでは約120人の高齢者に訪問診療を実施。うち約100人が介護付き有料老人ホームや高齢者住宅に入居しているが、これら「同一建物」で複数の患者を同じ日に診た際の診療報酬は大幅減に見舞われるためだ。

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