政府は「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針、6月24日閣議決定)に、50年後に1億人程度の安定した人口構造の保持を目指すことを盛り込んだ。人口の目標数字を掲げたことに対しては、目指すべきは国民一人ひとりがより豊かで幸福になることで、人口規模が何人ということではないという批判もある。
日本の人口は、2008年の1億2808.4万人をピークに減少に転じており、2013年には1億2729.8万人にまで減少している。国立社会保障・人口問題研究所の「将来推計人口」によれば、日本の人口は50年後の2060年には8600万人強となり、100年後の2110年には約3分の1の4300万人弱になると推計されている(右図)。
人口減少は問題なのか
人口減少が経済の低迷など大きな問題を引き起こすという見方がある一方で、人口増加率が経済成長率を決定的に決める要因ではないという研究結果もあり、人口減少の影響は恐れるほどのものではないという主張もある。
人口減少そのものにはプラスもマイナスもあって大問題というわけではないが、人口がいびつな構造になるということは大きな問題だと考える。高齢者の死亡者数が生まれる子供より多いという自然減で人口減少が起こるということは、高齢者世代よりも次に続く若い世代の人口のほうが小さいということを意味している。
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