「太陽光発電2030年新築戸建て6割」が意味する事 住宅用太陽光発電をめぐる現状と今後を解説
耐久性についても触れておく。通常、太陽光発電の設備は大きく太陽光パネルとパワーコンディショナー(パワコン)で構成される。パワコンは発電した直流電力を家庭で使えるようにするため、交流電力に変換する機能がある。
また、停電時などのトラブル発生を防ぐ機能も有しているのが普通。太陽光発電の耐用年数はパネルについては20~30年とされているが、パワコンのそれについては10年程度とされており、そのため定期的なメンテナンスと交換が必要である。
住宅への導入開始から約30年が経過
さて、太陽光発電が住宅に搭載されるようになったのは1990年代前半のこと。当時は導入コストが非常に高額だったが、現在では当時に比べ大幅に低価格化している。これは機器のコストダウンのほか、国や自治体などからの補助金制度の充実などが寄与している。
一般社団法人太陽光発電協会の資料によると、その結果、住宅用太陽光発電(10kW未満)は累計で267万6116戸に設置されており、2019年度では全戸建て住宅の約9%を占めるという。
年間の新規導入件数は、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度、2009年開始)」の買い取り金額が最も高額だった2012年(42万6868件)をピークに、2017年度には13万3012件にまで減少し、2019年度は15万1644件に回復している。
FIT制度は再生可能エネルギーを電力会社が一定期間、一定額で買い取ることを国が約束するもの。住宅用太陽光発電の場合は2012年度に1kWhあたり42円となっており、2020年度には同21円にまで減額されている。
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