オランダ発、「電気の共同購入」は普及するか 自治体と提携、環境に優しい電気を安く提供
希望者が多く集まることで購買力を高め、通常よりも安い価格での電気の購入を目指す。契約した電気には、太陽光や風力など温室効果ガスが出ない再生可能エネルギー由来の電気が30%以上含まれていて、地球環境にもやさしい──。
一般家庭を対象にした電気の共同購入が日本でも立ち上がろうとしている。
東京都とオランダのベンチャー企業が提携
2019年12月3日から2020年1月21日まで、東京都は「みんなでいっしょに自然の電気」と題したキャンペーンを展開中だ。都によると、これは日本初の取り組みで、「2050年までに温室効果ガス排出ゼロ」を目指す都の政策の一環として、再エネ電気の導入を促していくのが狙いだ。都民の電気代節約も狙っている。
都と協定を結び、同キャンペーンの事務局を務めているのが、オランダで創業した企業の日本法人である「アイチューザー」(藤井俊嗣社長、東京都品川区)。同社は共同購入の仕組み作りや運営面を担っている。
電気の共同購入の登録手続きは簡単だ。都内在住の希望者はまず、「みんなでいっしょに自然の電気」と題した専用のウェブサイトから参加登録する。なお、登録自体は無料で、契約切り替えの義務もない。
電気の使用状況など必要とされる情報をウェブサイト上で入力した後、キャンペーン事務局が最もお得だと思われる電力会社(小売り電気事業者)の料金メニューを選定し、料金の見積もり結果を参加者に提示する。参加者は、従来と比べて電気料金をどのくらい節約できそうかを確認したうえで、納得できた場合に限って契約切り替えの手続きをすればいい。
契約切り替え先は、競争入札によって選ばれた電力会社であるため、既存の電気料金より安くなる可能性が高い。
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