新電力大手「経営破綻」のインパクトは大きい 日本ロジテックが資金繰りに窮して店じまい

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電力自由化が進むが、契約は慎重に(写真:L-HOPE/PIXTA)

電力販売ビジネスで業容を急拡大してきた企業が近く、破産申し立てする見通しだ。問題の企業は「日本ロジテック協同組合」(東京・中央区、軍司昭一郎代表理事)。同社の幹部が東洋経済の取材に対し、破産申し立ての準備をしている事実を認めた。

同社は「新電力」と呼ばれる特定規模電気事業者(PPS)の中で第6位(販売電力量ベース、2014年度)。「組合員」になってもらった企業や地方自治体などを顧客にして「電力共同購買」の仕組みにより、設立からわずか7年余りで売上高を555億円(2015年3月期)にまで伸ばしてきたが、資金繰りが行き詰まった。同社幹部によれば、2月末時点の未払い金は約80億円にのぼる(金融機関に対する債務を除く)というが、債務総額はさらに膨らむ可能性が高い。

組合員に手数料を払って顧客拡大

日本ロジテックが入居するビル(東京・中央区)

下記は同社の井上博文財務部長との一問一答である(3月18日付け)。

――現状はどうなっているのか。

状況が混とんとしている。忙しすぎて。

――破産申立の準備をしているのか。

その理解で正しい。

――なぜこのようなことになったのか。

一気にインバランスが拡大して、それを埋めきれなかった。

(注)インバランスとは、調達電力量と供給電力量の差。調達電力量が不足した場合に、送配電を担う大手電力会社が穴埋めすることになり、インバランス料金(ペナルティ)が課される。

――つまり、電力の調達がうまくいかなかったのか。

そういうことだ。需要家を取捨選択できればよかったのだが、組合なのでお客さんを切ることができない。需要家イコール組合員イコール株主なので、あなたの契約は儲からないからやめますというわけにいかない。

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