TOKAI、東電と組み首都圏へ本格進出 鴇田社長「さまざまなセット割引商品を作る」
――東電との提携合意に至った経緯は。
当社のほうから私自ら、提携を持ちかけた。最初に話をしたのが昨年の春。東電に限らず、当社と営業エリアが重なる他の大手電力(中部電力)や新電力大手にも声を掛けた。「TLC(トータルライフコンシェルジュ)」を標榜し、多様な住生活関連インフラを提供している当社にない唯一の商材が電力。電力会社にとっては、当社の営業力が役に立つはずだと提携のメリットを申し上げた。東電とは嶋田君(嶋田隆・前取締役、経済産業省での後輩)の紹介で、山崎さん(山崎剛常務執行役、小売り部門トップ)と話をした。
東電が当社と組む気になったのは、(電力周波数の境界線である)富士川以東の東電管内に当社の約160万件の顧客がいるため。当社はLPガスや都市ガスだけでなく、インターネットやCATV、アクア(宅配水)もやっている。ガス専業との連携とは異なる、多様な組み方ができそうだということで合意に至ったものだ。
自分のブランドで電気を売る
――今後、提携内容をどう詰めていくか。
来年4月に電力小売りが完全自由化される。来年1月ごろには顧客が電力会社を切り替えるための予約受付が始まる。当社のように電力を新たにパッケージとして売ろうとしている会社にとっては、その準備に2~3カ月は必要だ。今年10月ぐらいには「商品」ができていないとまずい。そのため、今後数カ月はもっぱら値段(電気料金)などの商品メニューを詰める作業を行う。
われわれは自分のブランドで電力を売りたいと思っている。値付けも自分たちでやりたい。ブランドは決まっていないが、「ドラえもんパワー」や「TLCパワー」など、今後考えたい(ドラえもんは宅配水事業のイメージキャラクター)。
供給する電気は、サポーテッド・バイ・TEPCO(東電の支援を受けて)という形だ。電気をつくることは専門家に任せ、大手電力や新電力、卸電力取引所から電気を調達する。当社は小売り事業者(新電力)として、自社ブランドで電力の販売・代金回収を行うというのが基本的な電力提供の考え方だ。今のところ電力の供給力や安定性は大手電力が勝る。東電の場合、柏崎刈羽原子力発電所が再稼働すれば、さらに競争力が増すだろう。調達する電気の100%が東電からになるかもしれない。
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