新電力大手「経営破綻」のインパクトは大きい 日本ロジテックが資金繰りに窮して店じまい

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同社の経営不安は昨年5月に再生可能エネルギー発電促進賦課金を期限までに納付しなかったことを理由に経済産業省によって社名を公表されたことがきっかけで表面化した。

だが、その後も規模を拡大しており、今年2月24日に、4月からの電力小売り販売に必要な「小売電気事業者」の登録申請を取り下げたことで再燃。さらに3月11日には再び、再生エネルギー賦課金の未納が経産省によって再び公表されたうえ、同18日には日本卸電力取引所が代金未払いを理由に除名処分にした。

東京電力をはじめとする大手電力会社への託送料(送配電線利用料)の未払いもかさんでいることが判明した。

多くの自治体など公的機関が未回収金抱える

日本ロジテックに電気を供給していた自治体では、新潟県の10億9100万円を筆頭に、横浜市や名古屋市など20近くが未回収金を抱えている。また、同社の電力販売先の中には、自治体のほかに、国土交通省や財務省などの中央省庁、地方裁判所や自衛隊、海上保安庁、警察、刑務所などさまざまな公的機関が顔をそろえている。

託送契約を結んでいた大手電力会社は現時点で電力の供給を止めることはないため、電力を購入していた最終ユーザーには停電のリスクはない。ただ、今後は契約が宙に浮いてしまうために、「別の電気事業者と電力の供給契約を結ぶように(企業や公的機関に)働きかけている」(東京電力)という。

そもそも、日本ロジテックが踏み倒した再生エネルギー賦課金は、電気を使用する企業や自治体が広く負担しているものだ。その意味でも、今回の被害の広がりは計り知れず、真相究明が待たれる。

岡田 広行 東洋経済 解説部コラムニスト

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おかだ ひろゆき / Hiroyuki Okada

1966年10月生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。1990年、東洋経済新報社入社。産業部、『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部、企業情報部などを経て、現在、解説部コラムニスト。電力・ガス業界を担当し、エネルギー・環境問題について執筆するほか、2011年3月の東日本大震災発生以来、被災地の取材も続けている。著書に『被災弱者』(岩波新書)

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