新電力大手「経営破綻」のインパクトは大きい 日本ロジテックが資金繰りに窮して店じまい
――顧客数はどのくらいの数になるのか。
一般企業(組合員)が約640、自治体や公的機関が約630になる。自治体は賛助会員で、名前を挙げるとさいたま市や川崎市、仙台地方裁判所や松山地方裁判所などだ。
――電気を供給している拠点数はどのくらいあるのか。
役所からの問い合わせに答えなければいけないので資料を作成中だ。供給拠点数、つまりメーター数は前期(15年3月期末)までしか集計できていないが、その時点では4057カ所。ただし心もとない。今は9000くらいあるはず。正確なところは集計中だ。
――なぜ一気に業容を拡大させたのか。
組合員からの紹介で増えてしまった。専門の営業マンもいるが……。
――組合員となった企業からの紹介に一定の手数料を払っていた、ということか。
そういうことだ。
――自治体との契約も多い。
自治体向けの電力供給は自社で入札によって拡大してきた。採算は合っていたり、合わなかったりさまざまだ。競争状況によって異なる。
――電力会社や自治体への未払い金はいくらあるのか。
どの時点によるかで一概に言えないが、2月末時点では約80億円(金融機関への債務を除く)。大きく(水力発電所やゴミ発電など電力購入先の)自治体向けが約40億円、託送料(送配電料金)を支払わなければならない電力会社向けが約40億円といった具合だ。
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このようなやりとりの後、「多忙」を理由に電話が切れてしまったため、これ以上の質問ができなかった。
株式市場でも注意すべき企業とみなされる
もともと、中国やネパール、ベトナムからの外国人技能実習生の受け入れなどをビジネスにしてきた日本ロジテックが電力販売に参入したのは2009年。その後、自治体が持つ水力発電所やゴミ焼却工場から電力を購入してきたほか、日本卸電力取引所からも調達してきた。それらの電力を組合員となった企業や自治体などに販売。その差額を「もうけ」としてきた。一方、販売先の企業などに対しては「年間1~8%程度の電気料金削減が可能」などとPRしてきた。だが、業界では「そもそも成り立つ仕組みなのか」(電力業界関係者)と疑問を持たれてきた。
かつて有価証券報告書虚偽記載で課徴金納付命令を受けたリミックスポイントや、ゴーイングコンサーン注記が付けられているクレアホールディングスの子会社であるクレアとの提携(いずれも現在は解消)を通じて業容の拡大を図ろうとしたことから、株式市場でも注意すべき企業とみなされてきた。また、中国人実習生からの賃金ピンハネや銚子信用金庫の不正融資事件で逮捕された人物とのつながりも取り沙汰されている。
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