以下は『CSR企業総覧』に掲載している女性管理職比率が20%を超える企業の一覧(未上場企業等も含む)だが、この上位5社のうち、ニチイ学館、パスポート、メデカ ジャパンの3社が赤字でROEがマイナスになっている。
売上高1000億円以上で女性管理職比率がもっとも高いのはニチイ学館の80.7%。これに続くのが、ベネッセホールディングスの32.9%(全体9位)と1位と2位には大きな差がある。2位を50ポイント近く上回るニチイ学館1社が、ROEマイナス企業の女性比率の平均値を大きく押し上げている。
売上高100~1000億円未満の1位はパスポート79.1%(全体2位)、3位メデカ ジャパン57.6%(全体4位)とこちらも同じだ。
さて、女性管理職比率の全体の平均値は3.8%だが、3%を下回る企業は女性管理職ゼロの18.7%を含めて54.6%と過半数を占める。
女性比率が極端に高いごく一部の企業の影響を受けやすいということは、多くの企業が女性を管理職としてほとんど活用していないということの裏返しでもある。女性活用をはじめとするダイバーシティ経営は、日本企業ではまだ緒についたばかりということだけは間違いなさそうだ。
(岸本吉浩 =東洋経済 財務・企業評価チーム)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら