これは今回の原稿を書くにあたり、吉田からもらったデータなのだが(彼は婚活スタート時から、記録をつけていた)、活動していた約10カ月の期間のうち、A協会287人、B協会421人、C協会164人、D協会36人と、合計で908人に申し込みをかけていた。
そのうちお見合いになったのが56人(相手からの申し込みは6人)で、仮交際に入った女性が、25人いた。
こうした中で、お見合いや仮交際を断られる理由は、だいたい決まっていた。
「お話をしていて、ジェネレーションギャップを感じました」
「何か会社の上司と話をしているみたいで、結婚相手としては見ることができませんでした」
ただ仲人から見ていると、見合いになったり、仮交際になったりした56人の女性たちの中には、かなり変わった人たちもいた。
「今日の女性は、お見合いの間中、こちらと一度も目を合わせませんでした」
「何か聞いたことのない新興宗教を信仰していました」
「今回交際に入った女性は、携帯を電話をかけることにしか使っていなくて、携帯メールやLINEを知りませんでした」
「お酒が好きだとお見合いのときから言ってたんですが、夜、電話をすると、飲みながら話をしているんです。あんなに毎晩お酒を飲んでいて、体を壊さないのかな」
婚活を始めて3カ月が経った頃だっただろうか。吉田が、私の前でポロリと言った。
「結婚を甘く考えていたな。婚活で結婚していくって、本当に大変なことなんですね」
56人目にお見合いした37歳の女性
それでも諦めずに出会い続け、56人目にお見合いしたのが、今回結婚を決めた雅子(37歳、仮名)だった。
雅子は、私の相談所の会員で4年近く在籍していたのだが、ここ2年間はほとんど活動をしていなかった。日々仕事が忙しいうえに、やりがいがあって面白い。最初の2年はそんな中でも果敢に活動していたのだが、後の2年は、やや婚活疲れを起こしていた。
そんな彼女が4月に入って、私に連絡を入れてきた。
「婚活を後まわしにしていたけれど、ぼやぼやしていると38歳になってしまう。私、もう一度本気でやります!」
そして、驚くほどがツガツと申し込みをし始めた。そんな彼女に、吉田を勧めてみた。
「年は17歳上だけれど、人間的にはとても面白い人よ。会ってみない?」
すると、彼女は、「会ってみます!」と快諾した。早速5月1日にお見合いを組んだ。
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