教会とスポーツ、ちょっと意外な関係

第8回 日本は体育会系教育に期待しすぎ

スポーツにもかかわる教会

ドイツ・スポーツの教育的役割の背後にあるのが、公正、寛容、平等といった社会的に普遍性のある価値観である。 実はこういった価値観はキリスト教が繰り返し確認しているものと重なる。

 昨今、毎日曜日に教会へ礼拝に出かける人はかなり少なくなったが、ドイツの社会を見ているとキリスト教の価値観が隅々にまで広がっており、学校の授業でも「宗教」の時間がある。日本で宗教というと、カルト宗教などの影響もあり、ちょっと構えてしまうようなところもあるが、ドイツの様子をみていると社会秩序に必要な「価値のOS」のようなところを担っているのだ。

バイエルン州のスポーツ連盟の分科会には「スポーツと教会」委員というものもあり、キャンプなどのイベントや山での礼拝などを行っている。職務としては教会の代表同士の意見交換、スポーツ団体や教会内で「公正、寛容、相互理解」といった価値を教えることといったことをあげている。

 エアランゲン市では市内のスポーツクラブが芝生の広場に一同に集まり、訪問者に競技の紹介や体験をしてもらう「クラブ見本市」のようなしつらえの「スポーツフェスティバル」が行われたことがある。開催されたのが日曜日だったのだが、開会式でまず行われたのが仮設舞台での礼拝。黒い僧衣で現れた牧師、ユリア・アーノルド師は「スポーツと教会」委員のメンバーの一人だ。楽団による賛美歌が演奏され、ボールを小道具にしながら説教が進められたが、強調されたのは、「公正」「寛容」「敬意」といった価値だった。

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