教会とスポーツ、ちょっと意外な関係

第8回 日本は体育会系教育に期待しすぎ

スポーツには教育的役割があるが、ドイツでは「公正」「寛容」など、より普遍的な価値観をつかってスポーツを意義付けている。そのため、われわれにはピンとこないが、キリスト教がかかわってくるような一面もある。日本の「体育会系」と比較しながら、ドイツのスポーツを見てみよう。

体育会系に期待する日本人

「こんにちは!」日焼けした男子生徒が筆者の姿をみると、元気な声で挨拶してくれた。筆者はこの夏、日本のある高校を訪ねる機会があったのだが、校門をくぐり抜け、校内を歩いている時のすれ違いざまの出来事だ。さらにしばらく歩いていくと、スポーツバッグを持ったグループとすれ違った。それぞれが私に向かって「こんにちは」としっかり挨拶してくれる。「体育会系」の部活の生徒さんなのだろう。日本の蒸し暑い夏に、なんとも爽やかな挨拶である。この明朗快活にして礼儀正しい態度に文句のつけようはない。日本社会で共有されている人間の理想像の一部を体現している。

  日本社会では、特に高度経済成長期に顕著だったが、雇用する側にとって体育会系を重視する傾向があった。今日でも「ゆとり世代」にやきもきする企業の人事部は「やはり、体育会系をとるべきか?」と考えることも少なくないようだ。

 体育会系に染まり上がった若者に、何を期待しているのだろう。おそらく厳しい上下関係の人間関係に順応し、弱音を吐かずに、目の前のタスクを完了させようとする強い意志に期待しているのだろうか。明朗快活な挨拶はその象徴だといえよう。

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