実は「五輪特需」で潤うタクシー、その内情と不安 ハイヤー不足で恩恵もさまざまな問題が表面化

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T-CAT(東京シティエアターミナル)には五輪関係者を送迎するタクシーが出入りする(写真:東洋経済オンライン編集部)

開催中の東京五輪では、ハイヤー不足という問題が露呈。タクシーが五輪関係者を乗せるなどスクランブルな輸送体制がとられている。ただこれは、選手や関係者を隔離し、外部との接触を遮断する「バブル方式」をうたう組織委員会の意向とは逆行する動きでもあり、賛否が分かれている。はたして五輪開催がタクシー業界に及ぼした影響はどのようなものなのか――。東京に絞り、その声を拾っていきたい。

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「大日本帝国(大和自動車交通、日本交通、帝都自動車交通、国際自動車)と呼ばれる大手4社、日の丸交通などの準大手や第一交通に加え、東京無線あたりは潤っていますね。

それは組織委員会との契約に伴う運送が動いているからです。とくに海外メディアを中心に、コーチなどの競技関係者、セキュリティー会社の運搬が爆発的に増えている。

一時的ですが、コロナ前の水準まで売り上げが戻っています。ただ、五輪関係者を乗せられるのは、事前に契約があった事業者だけなんです」

都内のある大手タクシー会社の幹部は、こう打ち明ける。端的に五輪で業界が儲かっているかを尋ねたところ、答えはイエスだった。その一方で、さまざまな問題が表面化しつつある、という強い懸念も感じている。

「ハイヤー不足」が起こった背景

当初、大会関係者は入国後2週間、鉄道など公共交通機関を利用できないため、専用バスや貸し切りハイヤーを使うとされていた。だが「ハイヤーが足りなくなる可能性がある」と組織委員会からの要請を受け、一般タクシーを臨時に利用できる特例扱いにすることを国土交通省が認めている。

これは、料金システムなどは通常時と変わらないが、許可を得たタクシーは、車体の表示を切り替えることで、ハイヤーとしての稼働が認められるというものだ。タクシー業界ではこれを「みなしハイヤー」と呼ぶ。

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