高校生も手を染める「日給10万円」闇バイトの実態 コロナ禍でバイトが集まりやすくなっている
さらに犯罪者たちは、言葉巧みに罪の意識をなくすような言葉を投げかけてくるのも特徴だ。
「過去に摘発された犯罪者グループは、犯罪行為をする前の受け子のバイトの子たちにこう言っていました。“高齢者がタンス貯金して使っていないお金を僕たちが使うことで、日本の経済を回している。つまり、日本を助けている。だからこれは犯罪じゃないんだ”“みんなやってるから大丈夫”。そんな根拠のないうたい文句に騙されてはいけません」
佐々木さんは語気を強める。
コロナ禍で増加傾向、一度の犯行で実刑も
さらにコロナ禍でネットを使った犯罪は増加傾向にあると続ける。
ターゲット層になりうる学生たちがネットに触れる時間が増加して闇バイトのリクルートがしやすくなったからだ。また、収入減で困窮する大人世代にもターゲットを広げ、甘い誘い文句で声をかけてくる犯罪者も増えている。
昨年11月、80代女性からキャッシュカードを騙し取り、約217万円を引き出した男(当時29)が逮捕された。男はコロナ禍で店長を務めていた飲食店が経営難になったことでSNSで見た闇バイトの高額報酬に魅力を感じ、応募。犯行に至ったという。
「闇バイトをしてしまった学生の中には、警察に捕まって初めて、自分がやったことが特殊詐欺の“受け子”だったと知ったというケースもありました。受け子は詐欺罪という重大な犯罪です。偽名を使って銀行員になりすましていますし、“自分がやったことは犯罪とは知りませんでした”では通用しません」
闇バイトで犯罪に加担し逮捕されると、その経緯によっては弁解が通用しないことも。