高校生も手を染める「日給10万円」闇バイトの実態 コロナ禍でバイトが集まりやすくなっている
それに刑事責任を果たしたらそれで終わり、というわけにはいかない現状もある。
「ネット上に事件内容を投稿する人もいるため、半永久的に氏名や顔写真などの情報が残ってしまうおそれがあり、社会復帰が非常に難しくなる。それほどのリスクまで背負っているということです」
アルバイトや副業という軽いノリで犯罪に手を染めてしまったら取り返しがつかない。
子どもたちをどう守ったらいいのか
では、高校生や大学生の子どもたちをどう守ったらいいのだろうか。高橋弁護士は、
「親世代が実際に闇バイトはどういう言葉で募集されているのか実態をその目で確認することが重要です。当然“強盗の仲間を集めています”というような直接的なアナウンスはしていません。さまざまな隠語やキーワードを駆使しているんです。まずそこを知ることです」
例えば仕事内容によって強盗は『叩き』、違法薬物の運搬は『運び』などの隠語が使われている。ほかにも『単発の仕事』『保証金なし』も闇バイトを募集する際のキーワードだという。
「一見まともそうに見える闇バイト募集の投稿を自分で確認したあとに、お子さんに見せて“これ、何だと思う?”という会話から始めてみてください。そこから、実は自分も危ない世界と隣り合わせのところにいるんだ、という危機感を伝えるきっかけにしてほしい。親子で危機感を共有することが子どもが闇バイトに陥ることを未然に防ぐ第一歩だと思います」
もしあなたの子や孫が闇バイトに手を染めていたら……。それがわかったとき、どうしたらいいのだろうか。
「警察に行くという踏ん切りがつかない、そもそも犯罪かどうかもわからない場合もあると思います。まずは弁護士に相談してください。状況に応じて自首のサポートもできます。弁護士が独断で、勝手に警察に通報することもありません。安心して、速やかに行動してほしいです」