難しい質問に「即答できる人」のすごい頭の使い方 大量のデータを脳から引き出す「チャンク化」

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このサンプルの例で言えば、「FBIのネゴシエーターが最初に使う交渉術は傾聴」と「ダニエル・カーネマンの2クエスチョン」は、どちらも「コミュニケーション能力」というジャンルで関連するため、それぞれの情報を赤ペンで囲んだあとに線でつなげました。

その後も同じ作業をくり返し、「人脈作り」に関する情報は緑のラインでつなげ、「仕事仲間への親切」に関する情報は青いラインでつなげています。

この作業により、バラバラだった情報が、大きく3つのチャンクになったわけです。こうして、関連する情報を複合的な知識の集合体として〝かたまり〞で覚えておくことで、多様な場面で応用が利くわけです。

DaiGoが難しい質問に〝即答〞できる秘密

私の場合、本の執筆以外にもチャンク化が役立つ場面は多く、なかでもここ数年で役に立ったのが、ネット配信で行う質疑応答においてです。

私のYouTubeチャンネルでは、視聴者の方々からリアルタイムで質問を受け、その場ですぐに返答する生配信を定期的に行っています。質問の内容は多種多様で、「不安になりやすい性格を直したい」というメンタルのお悩みがあったり、「好きな人にアピールしたい」といった恋愛相談を持ちかけられたり、果てには「効率的な筋トレの方法は?」などの健康相談まで出てきます。

これらの質問にすぐ対応するのは大変ですが、これまで答えに詰まった経験はありません。視聴者の方が投げてくるどの質問にも、平均して2〜3秒で答えを返すことができています。視聴者の皆さんからは「DaiGoの知識量はどうなっているのか?」と驚かれることもたびたびですが、このように高速で質疑応答ができるのは、私がつね日ごろから「チャンク化」を意識しているからです。

例えば、心理学の専門書を読んでいる最中に、「近年は筋力トレーニングが抑うつ症状の改善に有効とのエビデンスが増えている」との一文を見つけたとしましょう。

この場合は、過去に別の文献で見かけた「筋力トレーニングの効果を出すにはトレーニングのボリュームを意識することが重要である」という情報とつなげ、「筋力トレーニングはメンタルの改善に役立ち、効率的にトレーニングするためには運動のボリュームを意識しておくとよい」といった、ひとつなぎの知識にチャンク化してしまいます。

チャンク化の方法に絶対的な正解はなく、「不安対策には、瞑想と筋トレ、食事などの方法がある」のように別の角度からつなげてもいいですし、「筋トレは心と体の改善に役立つ」というふうにまとめてみるやり方もあるでしょう。一度情報を身につけてしまえば、さまざまな形に変化させて応用が可能なのです。

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