インド医療事情と病院選び--公立病院は避けて「高級病院チェーン」へ行くのが無難

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■家族揃って感染し、入院してしまったケースも

--インド特有の病気、予防接種の必要などはありますか。

腸チフス、赤痢、コレラ、ウイルス性肝炎、マラリア、狂犬病などかかりやすい病気で、たまに流行する病気はいろいろあります。私が聞いた中では、「腸チフス」が一番多いような気がします。他の病気に間違えられることもあるようで、相当つらい症状のようです。あとは時々流行するデング熱でしょうか。これはマラリアと同様に蚊を媒介して感染する病気ですが、モンスーンシーズンに地域限定ではやります。

詳細は外務省のワクチン接種情報をご覧いただきたいのですが、長期滞在者に対しては、「A型肝炎、B型肝炎、破傷風、腸チフス」の4つについてワクチン接種を呼びかけています。「腸チフス」は日本で予防接種をやっていませんので、インドに行ってからになります。

「インド人は普通に生活しているんだし、大丈夫」という声も聞こえてきそうですが、家族揃って感染し、入院してしまった方の話も聞いたことがあります。「新興国」そして「ネクストチャイナ」という目線でインドを見ますが、新興国であると同時に「熱帯地域」であるということを忘れがちです。

初期診断、治療がうまくいけばいいですが、そうではないこともありますので予防にこしたことはありません。日本の病院でできることは、あらかじめ日本で済ませてインドに赴任する必要があるかと思います。

(聞き手:東洋経済HRオンライン編集部:田宮寛之 須貝氏撮影:尾形文繁、写真は本文とは関係ありません)

すがい・しんいち
1973年生まれ。法政大学英文科卒業。外資系IT企業、インド関連コンサルティング会社にて取締役として事業の立ち上げ等を経て、現在はネクストマーケット・リサーチ代表取締役。中小企業診断士。

ネクストマーケット・リサーチ
インド・南アジアの企業・金融・経済情報の提供のほか、インド進出支援コンサルティング、インターネット関連事業などを行っている。http://nm-research.com

人事・労務が企業を変える 東洋経済HRオンライン

 

 

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