寝不足の子どもを襲う「発達障害もどき」の実態 大事なのは「早寝・早起き・朝ごはん」の3つ

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睡眠不足は、このような現在の困った言動の原因になるのはもちろん、その後の成長にも深刻な影響を及ぼす可能性が高いことも数々の研究でわかっています。

世の中には、短時間睡眠でも成果が上がるというような情報が流布していますが、子どもにとっての睡眠の役割は、大人のそれとは同じではありません。探究する力の源である好奇心や意欲も、睡眠不足では湧いてこないのです。

朝型に変えるだけで、うまくいく

私が代表を務めているマザークエストという、「親が子育てを探究をする学び場」でも、何回か成田先生にお願いして、ワークショップを開催してきました。

「睡眠第一にすれば、すべてうまくいく」という先生の強いメッセージに開眼した親御さんたちから、「周囲が習いごとをしているから、私もさせなくちゃいけないかなとか、いろいろ不安だったけれど、とにかく生活リズムを整えることを第一優先にすればいいとわかって安心した」「子どもが変わった」という嬉しい感想をたくさん寄せてもらっています。

実際、早寝早起きし、朝型に変えることでうまくいくというのには、理由があります。幸せホルモンといわれるセロトニンが分泌されるピークが朝の5時から7時。早起きして朝日を浴びることで、セロトニンが十分分泌されるのです。

セロトニンは神経伝達物質の一つで、心と身体を安定させ、幸せを感じやすくする働きを持つといわれています。

『成功する子は「やりたいこと」を見つけている 子どもの「探究力」の育て方』(青春出版社)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。

朝の光を目に入れることで、体内時計もリセットされ、頭が覚醒。セロトニンが分泌されて心身のバランスも取れて、自然に物事に対する意欲が出る。朝から食欲が出てしっかりと栄養が取れる。早起きは三文の得とはよく言ったもの。いいことずくめなのです。

夜更かしの人が朝型に変えるのって大変と思われるかもしれませんが、まずは早起きから始めて、夜に眠くなったらさっさと寝てしまいましょう。その生活をとにかく続けるのです。朝、なかなか起きられないお子さんでも続けることで、乳幼児期なら1週間で体内のリズムが整って朝型に変えることができます。

「子どもが大きくなってもう手遅れ」と思ったあなたも大丈夫! 可塑性といって、脳の細胞は、いつも余りがあって、いつからでもつくり変えることができるそうです。

正しい睡眠習慣は、これから続く長い人生を幸せに送る上で、とっても大事なこと。まずは睡眠第一で、じょうぶな脳を育てましょう。

中曽根 陽子 教育ジャーナリスト

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なかそね ようこ / Yoko Nakasone

マザークエスト代表。出版社勤務後、女性のネットワークを生かした編集企画会社を発足。「お母さんと子どもたちの笑顔のために」をコンセプトに、数多くの書籍をプロデュースした。現在は、教育ジャーナリストとして、紙媒体からWEB連載まで幅広く執筆する傍ら、海外の教育視察も行う。20年近く教育の現場を取材し、偏差値主義の教育からクリエイティブな力を育てる探究型の学びへのシフトを提唱。

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