投資を始めたい人が「下落リスク」を見通す方法 世界の株式で運用する投資信託を選べば怖くない
「年金は先細りで、老後には2000万円必要……」
若い世代を中心に年金不信が広がった「老後2000万円問題」から約2年。あの騒ぎはなんだったのだろうと思いますが、結果的には、老後資金に興味がなかった人でも、公的年金を正しく理解しようというきっかけになったと感じます。
斉藤瑛太さん(35歳・仮名・会社員)も「老後のために、投資をスタートしたい」と言います。現在の貯蓄額は約200万円。こんな相談内容でした。
「投資をすれば価格が下がることもあると思いますが、いくらくらい、何に投資をしたらいいですか?」
相談者の中には現金預金がほとんどなく、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)の上限まで積み立て投資をしている人もいますが、そんな場合、「どのくらい下がる可能性があるのか」を把握しておくことが大切です。
「標準偏差」でリスクの大きさを見通す
投資をして「いくらまでならマイナスになっても耐えられるか、老後の生活に支障がないか」という、その度合いのことを「リスク許容度」といいます。リスクをとらなければリターンは得られませんが、リスクをとったらリターンが得られるわけでもありません。リスクとは、収益(リターン)のぶれのことですから、このぶれを減らすために分散投資を行うことが大切です。
つみたてNISAや確定拠出年金で利用するのは投資信託です。投資信託は、国内株、外国株など運用対象によって複数の商品があります。投資信託を持つことは、数社の個別株を持つことよりリスクを小さくできます。
リスクの大きさは過去の実績から測る方法があります。どのくらいの確率で、どのくらいの範囲のリターンが見込めるかをみるのが「標準偏差(σ=シグマ)」です。例えば標準偏差20%、平均リターン5%(いずれも年率)とすると、1年後は、平均リターン5%を起点として上下に20%ずつ、+25%から-15%の範囲に68%の確率で収まります。
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