シェアが急伸!レノボ・NEC「二刀流」戦略の破壊力

同じグループ内で正反対のものづくりを追求

さらに、NECはGIGAスクール構想向けにも特徴を発揮している。多くの実績を持つ独自の教育クラウドプラットフォーム「Open Platform for Education(OPE) 」を提供し、レノボブランドのパソコンとは違う形で教育市場にアプローチした。

そのほか、国内パソコンメーカーとしては、初めてクロームブックをラインアップする、比較的安定した供給体制を確立する、といったレノボグループならではの開発力、調達力を生かした点も見逃せない。

レノボブランドのパソコンは、日本HP、デル・テクノロジーズ、ASUSなどのグローバルモデルを展開する外資系パソコンメーカーと戦う製品であり、NECブランドのパソコンは、富士通、Dynabook(ダイナブック)、パナソニック、VAIOなど、日本のニーズを追求する日本のパソコンブランドと戦う製品だ。

2020年度のブランド別シェアで、レノボ・ジャパン、NECパーソナルコンピュータが1位と2位を独占したことは、異なるパソコン市場での戦いにおいて、それぞれに勝利を収めた結果といえる。

ライバルも対抗商品を相次ぎ投入

だが、2021年度もこの状況が続くとはいえない。GIGAスクール構想による需要がなくなり、レノボの供給力やグローバルモデルの強みを生かせる場は限定的となる。また、NECが得意とする分野にも、日本のパソコンメーカー各社が対抗製品を相次ぎ投入している。

「レノボの知名度は日本ではまだ低い。トップシェアになったチャンスを生かして、さらに知名度をあげたい」(デビット・ベネット氏)と語る。

2021年度は、レノボにとっては一般市場に対する供給力とコスト競争力を生かすために、あらためてブランド価値を訴求する必要があり、NECは動きが鈍化しはじめた日本のテレワーク需要を喚起するような製品づくりが課題となるだろう。

追い風の中で、それぞれの特徴を生かすことができた2020年度の「二刀流」と、逆風のなかで、ブランド力や市場を開拓する力が求められる2021年度の「二刀流」では、使う筋肉が異なる。NECレノボ・ジャパングループが、市場変化に対応した二刀流にシフトできるかどうかがカギだ。

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