「ファーウェイ禁輸」でなぜ台湾企業は笑うのか 中国から台湾へ受注シフトでメーカーに明暗
5月28日から台湾の台北市でアジア最大級のIT見本市「台北国際電脳展」(Computex、台北国際コンピュータ見本市)が開催された。世界のノートパソコンやスマートフォン(スマホ)の多くが台湾企業によって製造されているため、マイクロソフトやIBM、インテルなど名だたる世界企業が新製品やシンポジウムで発表。世界有数規模の国際見本市だ。
今年のテーマは5GやAIなどだったが、会場の話題は、アメリカ商務省から禁輸措置を受けたファーウェイに集まった。
アメリカ半導体大手のファーウェイ対応は?
「私たちはアメリカ政府の規制を順守している」。半導体大手のアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)のリサ・スー最高経営責任者(CEO)はメディアからファーウェイ問題について尋ねられ、こう答えた。AMDはファーウェイ向けの半導体供給を5月に停止した。
スー氏は「ファーウェイは私たちの半導体ですばらしいパソコンを作ってくれた顧客だ」と振り返った。そのうえで「私たちはアメリカ企業。現在のアメリカ政府の規制に従う。できるだけ早く問題が解決されることを望んでいる」と述べた。
アメリカの半導体大手クアルコムはメディア向け説明会で、中国のパソコン大手レノボと協力して5G対応のパソコンを立ち上げると発表した。クアルコムは5Gの技術でファーウェイのライバルと目されている。同社のアレックス・カトウジャン上級副社長は「ファーウェイについてのコメントはできない」と述べるにとどまった。
ただ、アメリカの半導体大手の幹部は「わが社もファーウェイと協力してきた企業なので一連の規制(禁輸措置)は業績に影響するかもしれないが、(ファーウェイが規制によって)5G技術をめぐる競争で(後退するのは)アメリカ半導体企業にとって悪い話ではない」と明かした。次世代技術の覇権争いと業績への懸念は分けて考えている。
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