私は日々、「エグゼクティブの話し方の家庭教師」として、指導に当たっていますが、残念ながら、日本のリーダー層のコミュ力偏差値は絶望的に低く、話は総じて退屈です。
そもそも話し方を学校で習うこともなく、教科書も教える人も、見本となる人も少ないという環境で、スキルを磨く機会が圧倒的に少ない。聞く側にしても、校長の話も社長の話も、空想か昼寝の場でしかなかったわけで、たいした期待もしてきませんでした。
多くの弊害を生む「時間泥棒」フレーズ
そんな中で、「前例」に従って、使われつづけてきた「無駄な常套句」が山のようにあります。そうした言葉を使うと、次のような弊害が出てきます。
●へりくだりすぎて、リーダーシップを発揮できない。
●話し手と聞き手の心理的な距離が縮まらない。
こうした「時間泥棒」フレーズには、主に次のようなものがあります。
もしも、司会の人が、あなたのことの名前や肩書などを紹介してくれているのであれば、もう一度、自分の名前を繰り返す必要はないわけです。しかし、「まずは自分の名前を言わないと落ち着かない」という人が多いせいか、このNG台詞から始める人が少なくありません。
プレゼンや挨拶・スピーチは「冒頭30秒」が勝負です。そこで、聞き手に「あっ、この人の話は面白そうだな」「話を聞いてみよう」と思わせる必要があるわけで、最初から杓子定規の自己紹介で始めてしまうのはもったいない。
いきなり「本題」や「つかみ」「質問」から入るほうが、インパクトがあり印象に残りやすいので、そう指導するようにしています。
このフレーズも、冒頭によく使いがちなNGフレーズです。
「では、よろしくお願いします」は何か頼み事をするようなときには、便利な言葉ですが、時候の挨拶のようなもので、堅苦しくなりがちです。
間を持たせるために使うのであれば、必要はないでしょう。
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