ほかにも、日本の挨拶・スピーチあるあるといえば、「日本経済は~」という「時事解説」もつきものです。
聞き手にとっては、「いや、そんなの知っているし……」とか「興味ないし……」のどちらかがほとんどなのに、なぜか、それを入れないといけない、と考える人は多いようです。
これに限らず、日本の挨拶やスピーチには、「車内アナウンス」同様、定型句化して使われている言葉・慣用句が非常に多いわけです。
「それを言っておけば無難だろう」というリスク回避志向の表れかもしれませんが、そのおかげで「伝わらない、刺さらない」話が量産され、多くの人の貴重な時間が無駄になっています。
顔や個性を出しづらいメールや手紙などは、多少、かしこまった物言いになってしまうのは致し方ないとしても、お互いの顔を見ながら話をする場面では、事前に用意した原稿ではなく、「自分の言葉」で気持ちを伝え、相手との距離を縮めていきたいものです。
「話し方の常識とスキル」もアップデートしよう
話し言葉は徹底的に「会話調」のほうが響きやすいのですが、日本では話し方のノウハウが普及していないがために、スピーチなども「書き言葉調」「文語調」になりがちという側面があるかもしれません。
英語では、陳腐な言い古された言葉を「cliche(クリシェ)」と言いますが、「古びた言葉」や「その人の素の姿や個性の見えない話し方」ほど、興ざめなものはないわけです。
情報環境が激変する現代において、話し方も昭和のままでいいはずがありません。「話し方の常識とスキル」も抜本的にアップデートするべきときが来ているのではないでしょうか。
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