「1ミリも心が動かない」三流プレゼン、8大NG台詞 「スピーチ」「挨拶」も…その言葉「時間泥棒」です

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ほかにも、日本の挨拶・スピーチあるあるといえば、「日本経済は~」という「時事解説」もつきものです。

聞き手にとっては、「いや、そんなの知っているし……」とか「興味ないし……」のどちらかがほとんどなのに、なぜか、それを入れないといけない、と考える人は多いようです。

これに限らず、日本の挨拶やスピーチには、「車内アナウンス」同様、定型句化して使われている言葉・慣用句が非常に多いわけです。

「それを言っておけば無難だろう」というリスク回避志向の表れかもしれませんが、そのおかげで「伝わらない、刺さらない」話が量産され、多くの人の貴重な時間が無駄になっています。

顔や個性を出しづらいメールや手紙などは、多少、かしこまった物言いになってしまうのは致し方ないとしても、お互いの顔を見ながら話をする場面では、事前に用意した原稿ではなく、「自分の言葉」で気持ちを伝え、相手との距離を縮めていきたいものです。

「話し方の常識とスキル」もアップデートしよう

話し言葉は徹底的に「会話調」のほうが響きやすいのですが、日本では話し方のノウハウが普及していないがために、スピーチなども「書き言葉調」「文語調」になりがちという側面があるかもしれません。

英語では、陳腐な言い古された言葉を「cliche(クリシェ)」と言いますが、「古びた言葉」や「その人の素の姿や個性の見えない話し方」ほど、興ざめなものはないわけです。

情報環境が激変する現代において、話し方も昭和のままでいいはずがありません。「話し方の常識とスキル」も抜本的にアップデートするべきときが来ているのではないでしょうか。

岡本 純子 コミュニケーション戦略研究家・コミュ力伝道師

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おかもと じゅんこ / Junko Okamoto

「伝説の家庭教師」と呼ばれるエグゼクティブ・スピーチコーチ&コミュニケーション・ストラテジスト。株式会社グローコム代表取締役社長。早稲田大学政経学部卒業。英ケンブリッジ大学国際関係学修士。米MIT比較メディア学元客員研究員。日本を代表する大企業や外資系のリーダー、官僚・政治家など、「トップエリートを対象としたプレゼン・スピーチ等のプライベートコーチング」に携わる。その「劇的な話し方の改善ぶり」と実績から「伝説の家庭教師」と呼ばれる。2022年、次世代リーダーのコミュ力養成を目的とした「世界最高の話し方の学校」を開校。その飛躍的な効果が話題を呼び、早くも「行列のできる学校」となっている。

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