SNS疲れに「あえて投稿をじっくり読む」が効く訳 流し読みでは「ねたましい感情」が生まれがち

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1つひとつの投稿をろくに読まずに流し読みするだけだと、「すげ~」「ヤバい」程度の感想しか出てこないことが多いです。これ、とても浅い感覚なのですよね。「いいな、自分もいつかこうなりたいな」と前向きに思うべきところを「ちぇっ、なんかよく知らないけど幸せそうでずるい」としか思えず、ねたましい気持ちが生まれてくるのです。これは幸せ投稿が自分にとって脅威になっている状態です。

勝手にあれこれ想像してみる

ですが、「子どもが生まれました!」という投稿なら、「そもそもこの2人はいったいどこで出会ったのだろう。職場かな? 趣味かな?」「そんな2人が出会い、縁あって結婚し、2人の出会いの結晶として子どもが生まれて……」とあれこれと想像すると「なんて素晴らしいニュースなのだろう」という気持ちがわいてきて、自分が置いてきぼりにされた気分にはなりません。あたかも当事者として心から祝福することができるのです。

『先生!毎日けっこうしんどいです。元サラリーマン精神科医がみんなのモヤモヤに答えてみた』(かんき出版)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

1つひとつの投稿の背景を想像し、勝手にエピソードを作って勝手に感動するというワザは、慣れないうちは少し手間に感じるかもしれません。僕も最初の頃はかなり時間をかけて1つひとつの投稿を熟読していました。

でも今はすっかり慣れてきて、一読すればすぐに脳が勝手に感動シーンを再現してくれるほどになりました。アニメやドラマの特殊効果で、大事な表情や仕草にカメラがグワーッとフォーカスして寄っていくようなイメージに近いです。

みなさんもぜひ試してみてください。ストレス、減りますよ!

どうしたって過度なストレスを抱きやすい時代に私たちは生きています。適度なストレスは頑張るモチベーションにつながることもありますが、現代人はむしろ抱え込みすぎです。

あなたの脅威となる存在とは適切な距離を保ちつつ、自分の感情を無視せず、自分を大切に生きていきましょうね。

尾林 誉史 VISION PARTNERメンタルクリニック四谷院長

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おばやし たかふみ / Takafumi Obayashi

精神科医、産業医。VISION PARTNERメンタルクリニック四谷院長。
東京大学理学部化学科卒業後、株式会社リクルートに入社。リクルート時代、社内外や年次を問わず発生するメンタル問題に多数遭遇。2006年、産業医を志し退職。退職後、弘前大学医学部に学士編入。東京都立松沢病院にて初期臨床研修修了後、東京大学医学部附属病院精神神経科に所属。

現在は15社の企業にて産業医およびカウンセリング業務を務めるほか、メディアでも精力的に発信を行っている。著書に『先生!毎日けっこうしんどいです。元サラリーマン精神科医がみんなのモヤモヤに答えてみた』(かんき出版)がある。

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