覚えていてほしい漢字は「兆」ゴルゴ松本命の授業 兆しが見えない時代「逃げずに眺めて挑もう」
今はこういう時代でみんなしんどいし、不安じゃない? それは俺もわかる。俺なんて今年に入って仕事がまったくないわけ。そうすると貯金を切り崩さないといけなくなるじゃん? 人によっては大変ですねって憐れむかもしれないけど、俺はそうは思わない。だって、この状態が一生続くわけじゃないからね。
だから、この時代を生きるみんなに覚えていてほしい漢字は「兆」。「兆し」です。今はどっちに行けばいいのか「兆し」が見えない時代。ここにしんにょうをつけたら「逃げる」になるわけ。本当にしんどいならね、「逃」げてもいいと思う。でもずっと「逃」げ続けていたら「逃」げっぱなしの人生になる。それはつまらないでしょ?
「逃」げるんじゃなくて「眺」めにいく
だから、こう考えてください。「逃」げるんじゃなくて、高台にのぼって「眺」めにいくんだって。そうやって見晴らしのいいところから今の自分のいる状況をしっかり「眺」めたうえで、一度冷静になってみる。
そしたら何をやらなきゃいけないか「兆し」が見えてくるから、それがわかったら準備をする。で、準備ができたら「挑む」の。経験を積むには挑戦が不可欠。
ボクシングに例えると、すげえ強いチャンピオンに「挑」むチャレンジャーがいたとします。そりゃあ負ける可能性のほうが高いのかもしれない。
だけど、もしかしたら勝てるかもしれない。それは勝負が決まるまでわからないけど、少なくともチャレンジしない限り、勝利も敗北もつかめない。「挑」まなきゃ始まらないんです。
そして「挑」めば必ず何かが「学べる」。「挑」と「学」。このふたつがセットです。20代のうちにどんどん「挑」んで「学」んでほしい。
そして何より「生きて」ほしい。「生」という字は、いちばん下の横棒が根っこなの。で、そこから茎が伸びて葉っぱが生えて「生きる」という字になる。面白いでしょ?
つらいことはいっぱいあるけどさ、でもどんなことがあろうと「生」きていてほしい。「生」きていればきっと何かあるから。飯が食えなくても10日くらいは平気。それは、20代の俺が実証済みだから(笑)。
それに、本当に食えなくて、どんどんやせていったら周りのみんなが「大丈夫?」っておにぎりでも作って食わせてくれるの。ありがたいよね、人って。だから、もし「生きる」のがしんどい人がいたら誰かに頼ってほしい。助けてくれる人はきっといるから。
みんなよりちょっと先に「生」まれた先輩として、そう伝えたいかな。
(取材・文/横川良明 撮影/赤松洋太)
20’s typeの関連記事
サッカー中村憲剛「勝利は自分にフォーカスした人にだけ訪れる」引退後に振り返る、結果を残す人のマインド
「99%の人は、他人の夢に乗っかればいい」“やりたいことがない”と悩む20代に『転職2.0』村上臣が送るメッセージ
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら