覚えていてほしい漢字は「兆」ゴルゴ松本命の授業 兆しが見えない時代「逃げずに眺めて挑もう」

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きっと何かヒントを見つけたかったんだろうね。あの頃の俺は「本物」になりたくて、「本当」のことが知りたくて、そのために必要なものを自分が選んだ「本」から見つける作業をしていた気がする。

そして、あのときに「本」から得たものは今でも俺の支えになっている。根っこがないと生き物は育たないから。根っこを強くするという意味でも「本」を読むことはすごく大事。

20代なんて「未」でいいんだよ

だから、今、20代の人たちも今の段階で何者かになろうとしなくてもいいんじゃない?と思うわけ。だって、20代を漢字1文字で表すなら「未」ですよ。「未熟」の「未」。「未完成」の「未」。「未だ」何にもなっていないんです。だけど、その分、「未来」がある。

「未」という字の上の横棒がどんどん広がっていったらどうなる? そう、「末広がり」の「末」だよね。根っこさえしっかりしていたら、「末広がり」の「未来」が待っているんだよ。

TIM ゴルゴ松本さん/ワタナベエンターテインメント所属。お笑いコンビTIMのボケ担当。漢字研究家。2011年より少年院で、漢字の成り立ちを説明しながら社会で生きるヒントを示す「命の授業」というボランティア活動を開始。■著書:『あっ!命の授業』(廣済堂出版)、『ゴル語録 命を磨くための50の言葉』(文藝春秋)■YouTube:「ゴルゴ松本の命のGスポット!!」(写真:20’s type編集部)

じゃあ「未熟」で「未完成」な20代をどう過ごしたらいいか。

いろんなものを「口」にしてみることだよ。「未」という字の横に「口」をつけたら「味」。人生は「味付け」です。酸いも甘いも、時には激辛も「味」わってみなきゃ。そのためにも、まずはいろんなことに「興味」を持ってみたらどう?

俺にとって「興味」を広げるきっかけは「本」だったけど、それは人それぞれ何だっていいわけ。

とにかく「興味」を持って何でも「口」にしてみる。そうしたら、そのうちどれか1つくらい自分で「走」って「取」りに行きたいものができる。それが、「趣味」になるわけ。「趣味」ができたら楽しいよ。だって、それが人生の「醍醐味」だから。

「醍醐味」を見つけることは、つまり生きる「意味」を見つけることでもある。そして、そうやって生きる「意味」を見つけるまでに「口」にしたものすべてが人生の「味方」になる。そう考えるとさ、楽しいでしょ? だから食わず嫌いしないで、何でも「口」にすることから始めてみたらいいんじゃない?

「何でも”口”にすることから始めてみたらいいんじゃない?」(写真:20’s type編集部)
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