北の湖も輩出「相撲王国・北海道」が凋落した理由 道産子力士の幕内優勝は1991年の北勝海が最後

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高校相撲の実態にも目を向けてみたい。平成以降の大相撲はモンゴル勢と学生相撲出身力士の存在感が高まったことが大きな特徴だ。日大、近大、東洋大など大学だけではない。高校時代に強豪校で鍛えられた力士も増えている。なかでも埼玉栄高校の出身者が群を抜いている。

大関・貴景勝、小結・大栄翔、北勝富士など幕内だけで9人ものOBがいるのだ。

では、北海道の高校相撲部はどうなっているのか。昭和の時代には、高等学校相撲金沢大会(全国大会)で江差高校が優勝したこともある(1959年)。しかし、近年は全国大会で上位に顔を出せないばかりか、高校総体の同予選に出場する高校が激減。2019年はついに4校にまで減ってしまった。

全国高等学校体育連盟の加盟・登録状況(2020年度)を見ると、相撲部は全国で146校、907人が登録されている。そのなかで、北海道の高校相撲部は5校・16人。高校相撲でも厳しい状況が続いている。

「相撲王国」復活の兆しはあるのか

最後に、北海道出身の力士たちが昭和から平成初期にかけて活躍したような時代はもはや訪れないのだろうか。

いや、決してそんなことはない。現在の関取2人(一山本と旭大星)は、7月場所は入幕を狙えるところまで番付を上げるため、年内にも幕内力士が復活するかもしれない。幕下の矢後(芽室町出身)も、来場所は十両に復帰が決まった。北青鵬(札幌市出身)はまだ19歳だけに、将来に大きな期待がかかる有望株だ。

王国再生に向けた希望は大相撲現役力士の存在だけではない。2020年に注目の高校相撲部が誕生し、早くも成果が上がっているのだ。この高校は白老町にある私立・北海道栄高校。スポーツが盛んな学校で硬式野球部は甲子園の土を何度も踏んでいる。

2020年4月、同校で土俵開きが行われ、相撲部が始動した。顧問は埼玉栄高校で、元大関・豪栄道や現役の幕内力士・妙義龍とともに国体を3連覇した高山和典氏(34)。日大時代には東日本学生選手権で個人優勝している。

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