北の湖も輩出「相撲王国・北海道」が凋落した理由 道産子力士の幕内優勝は1991年の北勝海が最後

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高山顧問の下、2019年の全道中学覇者で全国大会8強になった生徒と、もうひとりの全国大会出場経験者、そして未経験者の3人の部員で相撲部がスタート。今年1月には高山顧問自ら現地で選抜したモンゴルからの留学生2人が加わった。現在の部員数は1年生も入れて6人。さらにもう1人、モンゴルからの留学生が加わる予定だ。

創部2年目の今年4月に行われた「全道高等学校相撲春季大会」で団体戦優勝、個人戦でも100kg以上、無差別級で優勝者(いずれも北海道出身者)を出す大活躍をみせた。団体の部で優勝したことで10月に行われる「第105回 高等学校相撲金沢大会」への出場切符を勝ち取った。

3年目に”大きな目標”狙う

これまでの活動、今後の抱負について高山顧問に話を聞いた。

全道高等学校相撲春季大会で優勝した北海道栄高校(写真:高山顧問提供)

「北海道の(高校相撲の)現状は競技人口が少なく、勝って当たり前というつもりで取り組んできました。生徒たちにも道大会の優勝は全国に向けての通過点だと言っています。

6月には北海道高校相撲選手権(高校総体)がありますが、ここも勝ち上がっていきたいですね。今年の全国大会に関しては、あくまで子どもたちに経験を積ませることが一番です。大きな目標は、3年目の来年にということですね」(高山顧問)

これは楽しみである。この学校の相撲部員が全国大会で結果を残していけば、やがては角界入りする可能性も出てくる。そのあたりを尋ねると、こんな答えが返ってきた。

「子どもたちの指導は、基本的には大学進学を前提に取り組んでいます。私自身そうでしたが、大学時代の4年間は本当に中身が濃い時間を過ごせました。やがてプロを目指すにしても大学に進んでほしいですね」(高山顧問)

自身の経験を踏まえ、生徒の将来を見据えた指導を行っているのだ。熱意のある指導が実を結び、同校が強豪校となっていけば、北海道の相撲環境が一変していく可能性がある。アマチュア相撲強化に向けた新たな動きは、厳しい冬が長すぎた北海道の相撲の世界に再び春が訪れる起点となるかもしれない。

山田 稔 ジャーナリスト

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やまだ みのる / Minoru Yamada

1960年生まれ。長野県出身。立命館大学卒業。日刊ゲンダイ編集部長、広告局次長を経て独立。編集工房レーヴ代表。経済、社会、地方関連記事を執筆。雑誌『ベストカー』に「数字の向こう側」を連載中。『酒と温泉を楽しむ!「B級」山歩き』『分煙社会のススメ。』(日本図書館協会選定図書)『驚きの日本一が「ふるさと」にあった』などの著作がある。編集工房レーヴのブログも執筆。最新刊は『60歳からの山と温泉』(世界書院)。

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