世界初「サイボーグ化した男」に日本人が学ぶこと

危機を乗り越える「ネオヒューマン」の希望の力

私は、東日本大震災のような大災害からの復興支援の専門家でもある。復興は時間がかかる。阪神・淡路大震災の復興事業は26年続いた。東北、とくに福島の復興はそれ以上の時間がかかる。

こうした長くかかる復興を、乗り越えられる人とそうでない人がいる。

私の見立てでは、長い間、将来に対する希望を持ち続けられるかが境を分ける。被災と復興に向けた苦労の中で、誰かの責任だと考えたり、あるいは自分の不幸を嘆いてしまうと、長い復興への時間を越えることができない。

コロナ禍も大災害も、そして難病も、理不尽な出来事だ。そしていずれも、自らを根本から「長きにわたって」変えていくことが必要になる。

希望をもって社会をアップデートできるか。ピーターの行動はここでも大きな気づきを与えてくれる。

日本人こそ、ピーターに学ぶべきである

日本人は悲観的だ。若者の自己肯定感はとにかく他国よりも低い(例えば、「自分自身に満足している」はアメリカ58%、イギリス42%、韓国36%に対して日本は10%:「令和元年版 子供・若者白書」参照)。

コロナ禍であっても、より多くの死者を出した海外と比べてつねに悲観的だ(日本経済新聞「コロナ禍、日本人は悲観的「最悪の状況なお」82% ボスコン調べ」参照)。

「和を以て貴しとなす」の日本人は、新しい危機への対応はつねに遅れる。ただ、ワクチンの接種率が上がりつつあるように、時間が経てば他国の例を学んでキャッチアップし、最後は大きなマイナスにならないのが特長でもある。

テクノロジーの進化や感染症の影響、そして少子高齢化もあいまって、いよいよ日本社会は再び浮かび上がるか沈んだままかの瀬戸際を迎えている。社会の変化は、1人の勇気ある一歩から始まる。絶望から希望を持ち続け、自分だけでなく周囲や社会そのものも変えつつあるピーターの勇気を、日本人こそ学ぶべきだろう。

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