「転職に失敗してしまう人」に共通する3つの動機 転職してもあなたの不安は改善しないかも…

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後悔しやすい転職理由3:やりたいことが見つからない

はっきりとした理由はないが、なんとなく今の仕事を「やりたい」と思えない。他の会社にいけば、「やりたいこと」が見つかるのではないか――。

こうした「やりたいこと探し」の転職も、なかなか不満が解消できず、悩むケースが少なくありません。次の会社でも「これはやりたい仕事ではない」と感じ、転職を繰り返してしまう。気づいたときには年月だけが経っており、どの分野でも十分な経験・スキルが身につけられていないといった結果になりかねません。

「やりたいことを見つけなければならない」というのは、ある種の固定観念だと思います。世の中で目覚ましい活躍をしている方々も、「どうしてもこれがやりたい」という仕事をしている方ばかりではありません。むしろ、最初から「この仕事一本でやっていく」と決めてキャリアをスタートする人のほうが少数派。目の前のことに実直に取り組み、周りから認められる。若い20代がキャリアを積み重ねていくうえで、このことが何より大切だと考えています。

キャリアの8割は偶然の出会いで決定

キャリアの悩みを抱える方によくお伝えするのが「計画的偶発性理論」。キャリア研究の先駆者であり、スタンフォード大学教授のジョン・クランボルツ氏が、多くの成功者へのインタビューに基づいて提唱したキャリア理論です。

計画的偶発性理論では、「キャリアの8割は、予期しない出来事や偶然の出会いによって決定される」と主張します。その偶然をただ待つだけではなく、自ら創り出せるように積極的に行動する。そして目の前の出来事に神経を研ぎ澄ませ、偶然を意図的・計画的にステップアップの機会へと変えていく。それがよりよいキャリア形成のために重要だ、とする考え方です。

変化の激しい時代には「最終ゴール」からキャリアを逆算することは非現実的でしょう。変化の激しいこれからの時代には、想定していたゴール自体がなくなることもあります。携わった仕事や出会った人、読んだ本などによって、自分の興味や関心、価値観は絶えず変化していくものです。むしろ、ある時点でゴールを決めてしまうと、目の前に訪れる新たなチャンスが見えず、逃してしまうことにもなりかねません。

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