「アフリカの近未来」を日本人が予測できる理由 公団住宅、家電、外食、ファッション、海外旅行
注意しなければならないのは、1人当たりGDPを国と首都とで分けて考えることです。新興国では首都のほうが国全体より3倍程度高くなります。アフリカでもまだ7〜8割は農村に暮らしており、それを入れた平均だと低くなります。これだとマーケティングを間違えることになります。都市で見ていくのが大事です。
最初の大きな目安が「1人当たりGDP1000ドル」です。多摩ニュータウンだけではありません。1000ドルを超えると、新幹線や高速道路などの都市のインフラづくりが本格化してきます。
そして、1000ドルを超えるとスーパーマーケット・ショッピングモールの開業が始まり、中古車やバイクが普及してきます。そして、地方から若者が続々と都市に流入してくる。いわゆる都市化の始まりです。土地の値段もこの当たりから急速に上昇します。
実際、エチオピアでは大規模な公団住宅だけでなく、新幹線や高速道路ができました。国でいえばウガンダ、セネガル、都市でいえばタンザニアのダルエスサラームやコンゴ民主共和国のキンシャサなどで同様のことが起きています。
1人当たりGDPが3000ドルを超えると起こること
次のポイントは、「3000ドル」ラインです。日本では1972年頃です。このラインは、外食元年でもあります。日本でマクドナルド1号店ができたのが、1971年の銀座。すかいらーくの1号店も1970年です。
ケニアのナイロビが、2014年頃に3000ドルを超えました。その頃、ケンタッキー・フライド・チキン、ドミノ・ピザ、コールド・ストーンが進出してきました。ちょっと遅れて、バーガーキングも出てきました。
3000ドルを超えると、大型ショッピングモールも出てきます。当時、私は子どもで横浜に住んでいましたが、首都圏最大のダイエー戸塚店がこの頃にオープンしたのをよく覚えています。巨大なアドバルーンと店内のダイエーの歌は鮮烈な思い出です。
1000ドルまでは中古車やバイクですが、3000ドルを超えると新車(乗用車)が売れ始めます。カラーテレビ、クーラーなども売れ始めるタイミングです。当時「3C」といわれていました。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら